女性の身体は、女性ホルモンの分泌量により絶えず変化しています。
毎月の月経、思春期、妊娠中、出産後、更年期、閉経後はその分泌量が特に大きく変化します。
女性ホルモン分泌の変化や喪失が体調や精神面に大きな影響を及ぼします。
たとえば、月経痛や原因のはっきりしない冷えや肩こり、イライラ感などが、それにあたります。
これらの症状は、西洋医学では「不定愁訴」「自律神経失調症」と分類され、治療しにくい、または治療の必要がない症状と分類されがちでした。
しかし、漢方薬は、このような症状に特に効果を発揮します。
つまり「不定愁訴」の多い女性の身体には、漢方薬が最も適したお薬といえるわけです。
どうか、女性の皆さんには、漢方薬を上手に活用して、より健康で快適な生活を営んでいただけたらと思います。
西洋薬も漢方薬も、それぞれ得意・不得意があります。
急性で重症の感染症のように患部に集中的に作用する薬を必要とする病気は、西洋薬が一番適しています。
一方、アレルギーなどの体質的なものや、病後や高齢者の基礎体力の低下による肉体、精神的な症状には、乱れたからだのバランスを回復させる漢方薬が一番適しています。
更年期や月経に伴っておきやすい女性特有の諸症状は、からだの一部分を切り取ったり、注射1本ですっきり治る、というものではありません。
つまり、体全体のバランスを整える漢方薬が一番効果的と言えるわけです。
当てはまる項目の点数を合計して、0点以下になった人は虚証、2~6点は中間証、8点以上は実証のタイプに近いといえます。
①体力がある 2点
②寝汗をかく -2点
③意欲、気力が充実し、物事に積極的である 2点
④胃腸が丈夫である 2点
⑤夏はバテやすく、冬は風邪をひきやすい -2点
⑥皮膚につやがある 2点
⑦下痢をしやすい -2点
⑧お腹に弾力があり、骨格はしっかりしている 2点
⑨食が細く食べるのが遅い -2点
⑩月経初期に痛みが強く、経血量が多い 2点