顔のツボ(1)

顔のツボ(1)

太陽(たいよう)

中国で開発された新しいツボです。
目の症状に効果があり、空に輝く太陽と同じ名のとおり、目を明るくすっきりさせます。

[治療の効果] 

疲れ目による目の痛み、充血など、目のさまざまな症状をやわらげるのに、効果のあるツボです。
なかでも目の疲れが原因で、目の奥がジンジン痛むとき、物がかすんで見えるとき、まぶしく感じるとき、目がショボショボするときなどによく効きます。
このツボを、指先で小さな輪を描くようなつもりでもみ押し続けます。すると、文字どおり太陽が照るように、目がすっきりして、気分も晴ればれとしてきます。
指圧のコツは、始めは軽く押して徐々に力を入れ、最後にしっかりと圧をかけることです。

迎香(げいこう)

「迎」はむかえる・むかえ会うことを意味し、「香」は、におい・かおり・かんばしい、という意味をもっています。 
つまり、これらの文字があらわすとおり、迎香というツボは、においをかぐ鼻に関する症状の特効ツボとして、治療に用いられています。
また、「香」の字はここでは中国の古典に基づき、胃も意味します。このことから迎香は、東洋医学でいう「胃の腑」の機能に関係する胃経という経絡に属することがわかります。

[治療の効果]

鼻のさまざまな症状をやわらげる効果があります。たとえば、鼻水、鼻づまり、鼻血によく効き、鼻づまりがひどくなって息苦しく、においがわからなくなってしまったときなどに、効果があります。
この場合、さゆうのツボを両手の指で同時に、やや強めに押すのがコツです。これによって、鼻の通りがよくなり、嗅覚が回復します。
したがって、病名でいうと慢性鼻炎、急性鼻炎、蓄膿症などに効果があるというわけです。
そのほか、顔面の神経に関する症状にも効果があり、小鼻の脇がピクピクけいれんしたときや、顔の神経痛で痛みがひどい場合などの治療にも、よく用いられます。

巨りょう(こりょう)

「巨」は、巨分をあらわします。巨分とは、鼻唇溝(鼻の両側から口の角までの溝)のことです。
一方、「りょう」は、骨の角すみ・馬の背骨・凹でこ・盛り上がり・・飛び出る、という意味で、ここでは巨分の角すみにあるへこんだ部分を指しています。
二つの漢字の意味を総合すると、巨りょうというツボ名は、巨分の角すみにあるへこんだ部分の重要なところ、という意味になります。

[治療の効果]

鼻づまりや鼻水、鼻血に効果があります。
鼻炎、目の疾患、上歯痛、歯肉炎、蓄膿症、三叉神経痛、顔のまひ・けいれんなどの治療によく使用されます。

顴りょう(かんりょう)

「顴」は、頬骨のことで、「りょう」は角すみをあらわします。
つまり、顴りょうとは、頬骨の隆起の角すみという意味になり、場所をあらわしているツボ名ということになります。

[治療の効果]

上歯の痛み、頬の腫れ、目の黄ばみ、眼精疲労などに効果があります。
ここには三叉神経の第二枝や顔面神経頬筋枝などが通っているので、顔面の神経まひ、顔面のけいれんやひきつり、三叉神経痛、急性鼻炎にも使用されます。
また、顴りょうは美容にも効果があるツボとして知られています。
顔の美容で最も気になるのは、頬に出る横じわ、目じりの小じわなどです。顔だけにこのような気になるしわがあらわれるのは、からだの中で顔の皮膚だけが、筋肉の組織とからみ合い、一体となっているからです。
そのため、筋肉のゆるみがすぐ皮膚のゆるみとなって、しわができてしまうというわけです。
したがって、日ごろからこのツボを中心に指先で軽くマッサージしていると、張りのある皮膚を保つことができます。

睛明(せいめい)

睛明の「睛」は、ひとみ・目玉、「明」はあきらか・照らすという意味です。
瞳の影がさわやかに消え去って、非常にはっきりと物が見えるようになるという効果をあらわしたツボ名です。

[治療の効果]

目にあらわれるさまざまな症状に効果があります。
本などを長時間読んで目が疲れたときに、人差し指で睛明をもむようにすると、すっきりして疲れがとれます。かすみ目や目の充血もこのツボで治療することができます。
顔面のけいれんにも効果があり、とくに目のまわりやまぶたがピクピクけいれんしたときに指圧すると、たいへんよく効きます。
また、鼻の通りが悪いときにも、鼻すじに沿ったいくつかのツボとともに治療に用いられます。
そのほか、子どものひきつけ、疳の虫にも効果があります。ちょっとしたことでむずかったり、泣きやまないときなどは睛明を軽く押してやると機嫌がなおります。
ただし、その場合には、誤って眼球を圧迫することのないように、注意しましょう。

瞳子りょう(どうしりょう)

「瞳子」は目・ひとみをあらわします。「りょう」はかど・すみを示しています。
したがって、瞳子りょうとは目のかたわらの骨が盛り上がっているところのくぼみにあるツボという意味になります。
また、瞳の角すみにあるツボということもあわらしています。別名、前関ともいいます。

[治療の効果]

頭痛などの頭部疾患と、目の疲れ、目のかゆみ、充血などの目の疾患にたいへんよく効きます。
また、めじりのしわをとるのにも効果的で、美容にも欠かせないツボです。

陽白(ようはく)

「陽」は高く明らかなるという意味で、ひなた・あたたか・清しといった意味です。
「白」は眼輪筋腱部の白色部にあるということを示しています。
つまり、陽白というツボ名は、目を明らかにするという意味をあらわしています。

[治療の効果] 

主に頭や顔、目の症状に効果があります。とくに、目の上の痛み、顔の痛み、三叉神経痛のひどい痛みをやわらげるのに効果的です。
そのほか、まぶしい、涙がしきりに出る、角膜のにごり、トラコーマなどの症状もこのツボで治療します。
また、夜盲症、めまい、寒さによるふるえなどにも効果があります。

承漿(しょうしょう)

「承」は下から上をうけるの意味で、うく・うけたまわることをあらわしています。
また、「漿」は、しろみず・しる・酢などの意味があり、ここでは口から出る液、つまり唾液のことを指しています。
したがって承漿というツボ名は、唾液を下から受ける位置という、ツボのある場所をあらわしています。

[治療の効果]

口や目がゆがんで斜めになってしまった場合、顔が腫れてしまった場合、口や歯が痛んで話をすることができない場合などに効果があります。
一般には顔面浮腫、三叉神経痛、顔面の神経まひ・こわばりなどの顔の疾患や、下歯の痛みなどの歯の症状、言語不能の中風患者の治療によく用いられます。

四白(しはく)

「四」は四方・周囲の意です。「白」はしろ・明らかの意味があります。
白は空白の白から転じてくぼんでいるという意味にもとれ、周囲から見てたいへんくぼんでいて、その部分を押すと圧痛がある、という意味にもなります。
また、別の説では、四方が明らかになるという意味にも解釈されるため、目の病気によく効くことをあらわしたツボ名であるといわれています。

[治療の効果]

顔面の神経がまひして目が閉じない、頬のあたりに痛みがあるなどの症状に効果があります。
頭痛やめまい、疲れ目によく効き、三叉神経痛の治療にも用いられます。
顔面にけいれんが起きたときには、このツボを指圧しただけで、一時的にけいれんを止めることができます。

地倉(ちそう)

「地」は天地の地、すなわち土を意味し、ここでは大地の恵みである穀物をあらわしています。「倉」はくら・穀物をおさめる方形の建物のことです。
また、東洋医学では、胃の腑のことを大倉ともいいます。
したがって、地倉は元気の源となる穀物(食べ物)が大倉(胃の腑)に通じるところという意味になります。

[治療の効果]

高血圧症や、中風からくる言語障害、顔面の神経まひによる口のゆがみ、三叉神経痛、さらに顔のけいれんが起こったときの治療に使用されます。
また、胃の状態がよくないときには、この場所にかさぶたや湿疹ができやすくなり、口臭が強くなります。
地倉は胃の健康のバロメーターともいわれ、このように胃が悪いために出てくるいろいろな症状にも効果的です。
なかでも、口内炎や口角炎の症状をやわらげるのによく効きます。

 

 

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