高齢ペットと漢方薬(獣医臨床応用研究)

高齢ペットと漢方薬(獣医臨床応用研究)

犬への適応

同処方の人の関節痛に対する効果に関してはすでに調査されており、膝関節痛、腰痛、頚肩腕症候群に有効であることが示されている。
そこで、西荻動物病院が中心となって比較的多くの関節疾患を持つ犬を対象として、その鎮痛作用の有効性を関節痛の緩和を目標としてVASを用いた指標により評価した。
VASは飼い主による評価と、担当獣医師との両者による評価を試みた。
具体的な疾患としては変形性脊椎症、股関節形成不全、打撲などであった。
その結果の一部を紹介する。

対象は高齢犬を中心とした成犬とし、関節痛を伴う整形外科領域の疾患とした。
投与量は50㎎/㎏から100㎎/㎏の範囲内で、1日2回、投与期間は4週間とした。
NSAIDsの使用は禁止した。変形性脊椎症では15例にIPS‐PP001が投与され、全症例で有効性が認められた。
1症例についてIPS‐PP001(SRD‐P001)投与後の疼痛VASスコアの変化を示した。
VASスコアは投与後2週間まで直線的な下降を示し、疼痛改善効果が明らかになった。
また、このスコアの減少は飼い主と担当獣医師とで同様の変化を記録しており、疼痛評価におけるVASの有効性が確認されたと考えられた。
今後、この評価方法を用いた疼痛評価による臨床評価試験は有用であり、利用されることを期待したい。

この臨床獣医学的研究結果からIPS‐PP001は試験期間を通じて重篤な有害反応は観察されず、安全で長期連用に耐える犬の関節痛治療に有効、有用な健康補助食品であると考えられる製品と判断される。

まとめ

今回紹介した、漢方薬、認知症に対する人参養栄湯についての獣医臨床応用研究の継続は人の認知症への応用に新たな情報を提供することができるもので、今後の獣医臨床医学における新しい臨床研究の展開をもたらすものと考えている。
また、関節痛に対する健康補助食品は人における有効性を確認する上で有用な情報を与えるものとなろう。
人と動物(コンパニオン・アニマル)の共通する疾患の治療、予防に共通の治療薬剤、健康食品を用いることで、その有効性をさらに明確化でき、獣医臨床医学から新たな医学情報が発信できるものと確信している。
(本論文の要旨は第36回獣医東洋医学会にて発表した)

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