高齢ペットと漢方薬(高齢化)

高齢ペットと漢方薬(高齢化)

ペットの高齢化

現在、日本は高齢化社会に移行しており、同様に動物、コンパニオン・アニマルといわれる犬、猫の世界でも高齢化した動物が多くなって来ている。
人に限らず、動物においても加齢に伴い体全体が小さくなり、内臓の諸臓器も萎縮し、生体の生理的機能が低下することはよく知られる事実である。
胸腺、性腺、筋肉、骨、皮膚などの免疫組織、生殖組織、支持組織の萎縮はそれぞれが関与する機能の低下を招き、すなわち日和見感染症、腫瘍の発生、生殖能力の減退、運動機能の低下など、生体の活動性を著しく阻害し、QOLへの影響は極めて大きいものである。
神経組織では、人ではアルツハイマー型、あるいは血管障害型認知症などで大脳の萎縮を伴う変化を認め、また犬の認知症の発症も大きい問題と考えられている。

加齢は、視聴覚への影響も大きく、人であれば老人性難聴、白内障などが、犬では白内障が重要問題となる。
老化はある日、突然起こるものではないことから、普段より予防的考えでの治療が肝要である。
著者は微生物感染症(細菌、ウイルスなど)が老化にも重大な影響を与えていると考えている。
感染によって炎症が生じ、その結果発生する大量の活性酸素は細胞の変異をもたらす因子であり、組織障害のもとでもある。
結果として老化の促進に関与する一面を持っていると思われる。

加齢による生理的老化現象は遺伝子によって制御されていると考えられており、これを防ぐことはできない。
しかし、生体に有害反応を引き起こすような環境要因、例えば居住域の衛生環境の改善により微生物汚染などを除去することで、また免疫機能を賦活することで日和見感染、あるいは発癌への影響を少なくすることができ、病的老化現象の惹起を抑制して、生理的老化に導き、天寿を全うできる状況を生むことも可能であろう。

特に感染症の問題は、人では抗生物質の開発と衛生環境の整備から管理が行き届き、感染症の爆発的な発生は減少しているが、ときにはSARSウイルス、鳥インフルエンザウイルスなど新型のウイルスの出現で大問題となることもある。
しかし、それ以上に動物では、より日常的に種々の微生物感染症が頻発しており、感染症との戦いは人以上に重要である。
免疫機能が低下している高齢動物では感染症の予防処置は大切である。

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