もし、家庭の中でアルツハイマー型痴呆症の疑いがある人がいたならば、前記したとおり、早期治療が最も重要になってくる。
そこで、痴呆症、アルツハイマー病を疑う必要性を判断するための手順を列記してみます。
1)同じことを言ったり聞いたりする。
2)物の名前が出てこなくなった。
3)置き忘れやしまい忘れが目立った。
4)以前はあった関心や興味が失われた。
5)だらしなくなった。
6)財布を置き忘れて盗まれたと言う。
7)慣れているところで道に迷った。
8)計算の間違いが多くなった。
9)ささいなことで怒りっぽくなった。
10)時間や場所の感覚が不確かになった。
11)蛇口やガス栓の締め忘れが目立った。
12)日課をしなくなった。
13)テレビドラマが理解できなくなった。
14)お薬の管理ができなくなった。
15)以前よりひどく疑い深くなった。
16)いつも降りる駅なのに乗り過ごすことが多くなった。
17)夜中に急に起き出して騒いだ。
以上まとめると
a)日常生活に支障をきたす「記憶障害」がある。
b)日常生活に支障をきたす「認知障害(記憶障害を除く)」がある
c)うつ病はない(除外項目)
d)意識障害(せん妄)はない (除外項目)
以上のa)~d)の経過を見て、数週間ないしは数カ月の期間に限られたものではないことを確認、少なくとも1年(通 常2年から5年) 以上前から徐々に症状が認められればアルツハイマー型痴呆症を含む痴呆症の可能性が高い。
アルツハイマー型痴呆症は、40歳代の働きざかりから発病する可能性があり、家族が症状に気づいてから受診するまで平均2年から3年かかると言われている。
家族または自分自身でも注意することは必須。