1994年7月、私は、岡山大学医学部大学院より医学博士の学位を取得しました。
1989年より研究を続けていた、脳の老化のメカニズムと病気(漢方薬の抗酸化作用(活性酸素(フリーラジカル)消去作用)と認知症(アルツハイマー型、脳血管性、ピック病)、てんかん、パーキンソン病、他)に関する一連の研究をまとめ、その成果を国際学会(BMBI)へ発表、その後、医学博士の学位を申請し、無事、学位審査を通過しました。
その後、大山漢方堂薬局及び東京の漢方専門薬局数か所で、漢方相談を続けながら、一般向けに、自分の専門分野である、脳機能(脳の老化と病気)と東洋医学(漢方薬・鍼灸)に関する著書の執筆を続けていました。(後に、光文社カッパブックスより、「脳を守る漢方薬」 医学博士大山博行著 出版)
そんな中、たまたま、不妊症に悩む患者さんが来院され、私の治療(東洋医学、漢方薬・鍼灸)によってめでたく自然妊娠し、無事に男子を出産したのです。
そのときの患者さんの喜び様は、たいへんなもので、わざわざ、赤ちゃんを連れて、患者さんご夫妻、そして、奥様の御両親、さらに、ご主人様のご両親まで、大山漢方堂薬局に、御挨拶に来てくださいました。
私は、その時、不妊症の治療とは、こんなにも、患者様に喜ばれるものなのか、と驚き、これこそ、東洋医学(漢方薬・鍼灸)治療者みょうりに尽きるものだと思いました。
この事件が、きっかけとなって、私は、不妊症(男性不妊・女性不妊)の東洋医学臨床研究に、力を入れることになったのだと思います。
それから、約14年間、今日に至るまで、不妊症の東洋医学(漢方薬・鍼灸)の臨床経験(成功例)は、100例を超えています。
ところで、最初、私が、漢方薬・鍼灸治療で、2~3人の不妊症の患者さんを治したとき、友人(現代医学者)は、「それは偶然だ、不妊症はそんなことで治るものではない」と、よく言われました。
それが、10人くらい治しても、友人たちは、あいかわらず、「それは、偶然だよ、」と、まだ言われつづけていました。
もともと、東洋医学(漢方薬・鍼灸)」は、顕微鏡をのぞいたり、血液や尿を採って検査をして、たとえば細菌やウイルスがなくなったのを証明するというようなものではありません。
しかし、医学、薬学、学問の世界では、「治してもなぜ治ったと証明できなければ学問ではない」、これが、一番重要なことなのです。
そこで、私は、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の臨床効果を証明するには、不妊症が一番良い、赤ちゃんが生まれたことが、何よりも証拠になる。
本当に、誰が診ても、治らなかった不妊症、現代医療を施しても治らなかった不妊症の患者さんが、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の治療で、赤ちゃんが生まれた。
長く、現代医療の不妊症治療を続けていても、なかなか子供ができない患者さんに、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の治療を併用したら、早期に、赤ちゃんが生まれた。
この事実は、誰もが、認める証拠になる、と考えました。
そんな気持ちもあって、私の東洋医学(漢方薬・鍼灸)の治療を受けて赤ちゃんが生まれた。
そういう人が、100人になったら、だれもが納得してくれるだろうと考えました。
私の漢方薬を服用して赤ちゃんが生まれた。私の鍼灸治療で赤ちゃんが生まれた。さらに、私の漢方薬と鍼灸治療を併用して赤ちゃんが生まれた。
こんなふうに、どんどん不妊症の患者さんが治っていくと、それを聞き伝え、私のところに、少しずつ不妊症を訴えてこられる患者さんが多くなり、私の臨床経験(不妊症に対する、東洋医学、漢方薬、鍼灸のノウハウ)も増えてきました。
現在でも、「結婚した夫婦10組に1組は、なかなか子どもが生まれない」といいます。
子どもがほしいと願うご夫婦にとって不妊の悩みは非常に深刻です。
不妊症については、現代医学で、さまざまな原因が明らかにされていますが、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の治療を施すことによって、西洋医学単独の治療よりも、はるかに高い確率で、早期に不妊症を克服できるものと私は考えています。