
日常的なストレスからくる悲しみや、不安、むなしさといったゆううつな気分や無気力は誰しもが経験するものです。
うつ病とはこうしたこころの状態が長期間回復せず、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
からだの変調として倦怠感、不眠、食欲不振などの症状もあらわれます。
世界保健機関(WHO)では、うつ病の患者さんの数を世界人口の約3%、1億人以上と概算しています。
これを日本にあてはめると約360万人。
この数字がしめすとおり、うつ病はごく一般的な病気で、決して特別なものではありません。
うつ病は単に気の持ちようで起こるものではありません。
ストレスなどによりセロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質の働きが悪くなることによって起こると考えられています。
症状は、気分の落ち込み ものごとが決められない やる気が出ない 眠れない 息切れなど
体がだるい、疲れやすい 食欲がない 腰痛 性欲がおちる 頭痛 胸がドキドキする 胃のもたれ 便秘
患者さんによって症状の種類やあらわれ方、進行はまちまちです。
このため、ついそのまま放っておいたり、単なる“疲れ”として処理しがちに。
また、発病にさえ気づかないことも…。そうなると病状をさらに悪化させてしまうことになりまねません。
うつ病の治療で一番大切なことは休養です。
こころとからだをゆっくり休めましょう。
また、薬による治療も行ないます。
うつ病の場合、脳内の神経伝達物質のはたらきが悪くなっています。
抗うつ薬*とはそれをおぎなう薬です。
さいきんではSSRIという新しいタイプの抗うつ薬も使われるようになってきました。
※抗うつ薬とは、うつ病で減少しているといわれる脳内の神経伝達物質を増やす薬です。
継続することが力になります。
抗うつ薬は、飲みはじめて数日たってから徐々に効きはじめ、1~4週間のうちに次第に効果があらわれてくるのが特徴です。
カゼ薬や胃薬とはちがいますから、すぐに効果があらわれないからといって、勝手に服薬を中止しないでください。
Q.うつ病になりやすい人っているのですか?
うつ病は誰でもちょっとしたきっかけでかかるありふれた病気です。
ただし、自分よりも他人や仕事のことを優先させる、几帳面でまじめ人がなりやすいともいわれます。
こうした人は義務感、責任感が強いため、多くのストレスをダイレクトに受けとめ、こころにも負担がかかりやすいようです。
Q.抗うつ薬と市販のカゼ薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?
市販のカゼ薬を一緒に飲むとよくないということは特にありません。
しかし、念のため医師か薬剤師に相談してください。
Q.症状が良くなったら、薬を飲まなくても良いのですか?
症状が良くなっても、再発予防のために、ある程度服用を続けてから、徐々に薬の量をへらしていく必要があります。
ですから、自分の判断で服用を中止してはいけません。
Q.生活上、どのような点に注意すればいいですか?
からだとこころをゆっくり休めることが大切です。
また、うつ病の場合、判断力が低下することがありますから、
とっさの判断をしなければならない作業や、物事をあせって解決するようなことはさけるのが無難です。