補陰に用いる漢方薬

補陰とは、身体の潤いを与える津液（しんえき）を補う作用を指します。
津液とは、体内の生理的な水液（唾液、胃液、涙、汗など）の総称です。

（1）六味地黄丸加減方

慢性病、過労、ストレス状況の継続、発汗などを原因とする体力の消耗によい。
肌のつやがない、目の疲れ、筋けいれん、爪のもろさ、月経周期の遅延、下半身の無力感によい。
乳幼児、小児の身体や知能の発育不良によい。

（2）八味地黄丸加減方

インポテンツ、排尿困難、知力減退、動作緩慢、元気がないなどによい。

（3）牛車腎気丸加減方

下半身の浮腫、頻尿、しびれ、夜尿症によい。

（4）杞菊地黄丸

目のトラブル（疲れ、乾き、まぶしい）によい。

（5）耳鳴丸

耳鳴りの特効薬

（6）麦味地黄丸

空咳、息切れ、声枯れ、口渇などによい。

（7）知柏地黄丸

性欲過亢進（疲れ果てているのに、まだ性力が治まらない人によい）

（8）玄武湯

下半身の浮腫（下半身に元気がない）によい。

（9）滋陰降火湯

寒痰、少痰、粘痰、声枯れ、呼吸促拍（肺の衰え）によい。