緊張感、興奮感、いらいら感(神経過敏、過緊張状態)によい漢方薬!

緊張感、興奮感、いらいら感(神経過敏、過緊張状態)によい漢方薬!

「花月(かげつ)」

商品名: 花月(かげつ)
適応症: 緊張感、興奮感、いらいら感の鎮静
     上記に伴う頭重・疲労倦怠感の緩和
     不安、不眠

効能・効果

緊張感・興奮感・いらいら感の鎮静、上記に伴う頭重・疲労倦怠感の緩和

構成生薬(松鶴堂加減)

芍薬、桔梗、沢瀉、細辛、防己、石膏、香附子、陳皮、蘇葉、生姜

原処方(効能・効果)

香蘇散=原典:和剤局方
「胃腸虚弱で、神経質の人の風邪の初期(210処方適応症)」

処方解説

・香附子・蘇葉は、気のうっ滞を発散させ、蘇葉には胃腸を整える作用があります。
・香附子・陳皮は、芳香性健胃薬で、胃機能を整えつつ気をめぐらします。
・甘草は、諸薬の働きを助けます。
・生姜は、発汗・健胃作用があります。
・細辛は、風寒を発散させて身体を温め、気をめぐらせます。
・桔梗は、諸薬の薬効を上部に引き上げる作用があります。
・芍薬は、鎮静・鎮痛作用があります。
・石膏は、気を下ろし、頭痛などをとります。
・防己・沢瀉は、体内の水分の調節をします。

「使用目標」

・頭冒(頭が何かで覆われているいる感じ)があり、頭髪をかきむしる等のしぐさをする。
・頭痛、身体痛があって、神経症のもの。
・心配事があって気がめいっている。
・うつ気味で、頭痛、頭重、不眠がある。
・マタニティーブルー(出産後の不安、集中力低下等を伴う感情不安定状態)。

松鶴堂加減について

花月は、香蘇散に芍薬、桔梗、沢瀉、細辛、防己、石膏を加えたものです。
香蘇散は、散気快気の主方といわれるもので、気のうっ滞を発散し気をめぐらせ、主として神経性諸疾患を治すものです。
具体的には、胃腸のあまり丈夫でない人の抑うつ状態、いらいら、やる気がでない、頭痛、不眠、軽い風邪といった症状に使います。
饗庭家口訣他にもあるように、香蘇散は「気滞気鬱による諸病に使うが加味の力をもってその効をとぐる」ということで、
さまざまな加味のなされる処方です。
従って、花月では、抑うつなど気が沈みがちという症状があって、さらに頭痛、身体痛を伴う諸症に対応するよう、
石膏、防己、芍薬など消炎・鎮痛、鎮静作用のある生薬を多く加味してあります。

一口メモ

・花月は、気が沈んでいるタイプで、声が小さく話にまとまりがない感じ。
これに対し、清心(逍遥散)はやたらと愁訴を訴える感じである。

使用上の注意

添付文書に記載の「使用上の注意」を併せて必ずご参照ください。

参考文献

1)漢方診療医典 大塚敬節・矢数道明・清水籐太郎 南山堂
2)漢方後世要方解説 矢数道明 医道の日本社
3)漢薬の臨床適応 神戸中医学研究会 医師薬出版
4)中医処方解説 神戸中医学研究会 医師薬出版
5)漢方診療のレッスン 花輪壽彦 金原出版

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