『膀胱炎(排尿時の痛み・残尿感)』は、汗をかく位のあたたかい気候時(尿量減少)、発生しやすい病です。
女性は特に、膀胱炎に悩むことが多くなります。
ひとつには、女性特有の身体の構造が関係しています。
細菌のいる膣や肛門、尿道が近くにあるので、排便後拭き残したり、清潔に保てなかったりして、細菌が膀胱に侵入し増殖することで発症します。
膀胱内にはもともと少量の細菌が存在していますが、通常の生活では膀胱炎になることはありません。
しかし「疲労やストレス等で体力がおちてくる」と、前記のような原因・外因により細菌感染し、膀胱内の細菌が増殖し膀胱炎になります。
その原因の細菌は、ブドウ球菌や大腸菌、セラチア菌、プロテウス、肺炎球菌、腸球菌などですが、その中でも約80%が大腸菌での罹患と言われています。
初期症状としては、「トイレの回数が増える」、その後スッキリしなくなってきて「残尿感が伴う」、「尿の色が白く濁る」、「ツーンとしみるような排尿痛」がある等です。
熱証が昂じた場合には「尿に血が混じる(血尿)」こともあります。
猪苓湯(利水清熱・滋陰/傷寒論)
湿熱による排尿痛・尿量減少に対する処方です。
猪苓:甘淡・平〔利水さん湿・清熱〕
茯苓:甘・平〔利水さん湿・健脾和中・寧心安神〕
沢瀉:甘・寒〔利水・さん湿・清熱〕
滑石:甘・寒〔利水さん湿・清熱〕
阿膠:甘・平〔補血・止血・滋陰・潤燥〕
※エキス剤では、阿膠をゼラチンに代えることがあります。
※利水生薬4種(猪苓・茯苓・沢瀉・滑石)と、清熱生薬2種(沢瀉・滑石)が核となる処方。
体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの次の諸症:
排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ
五淋散(和剤局方)は、尿路系の炎症が起きた場合、多く用いられる処方です。
自覚症状としては、「排尿痛」「頻尿」「残尿感」「濃縮尿」、あるいは「血尿」「排尿困難または尿閉があり、発熱、口渇・冷飲を好む等、身体に熱症状がある場合」を治療します。
五淋散(清熱涼血・利水通淋/和剤局方)
尿路系の炎症の場合、多く用いられる処方です。
茯苓:甘・平 〔利水さん湿・健脾和中・寧心安神〕
車前子:甘・寒〔利水・通淋・止瀉・明目・きょ痰止咳〕
滑石:甘・寒〔利水さん湿・清熱〕
木通:苦・寒〔降火利尿・通乳〕
山梔子:苦・寒〔清熱瀉火・涼血解毒〕
黄ごん:苦・寒〔清熱燥湿・瀉火解毒・安胎〕
当帰:甘辛・温〔補血・行血・潤腸・調経〕
芍薬:酸苦・微寒〔補血・緩急止痛〕
甘草:甘・平〔補脾益気・清熱解毒・潤肺止咳〕
地黄:甘・平〔清熱凉血・生津〕
※猪苓湯と共通する3種の利水生薬(茯苓・沢瀉・滑石)と、
痛み(熱感)を抑える6種の寒性生薬。
※四物湯を思わせる「当帰・芍薬・地黄」の配合
体力中等度のものの次の諸症:頻尿、排尿痛、残尿感、尿のにごり
上記、猪苓湯、五淋散を2週間服用しても効果に満足できない場合は、より効果的な、大山漢方堂薬局 調合漢方薬(オーダーメイド)を、お勧めします。
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