「食欲がない人」に適した漢方薬

「食欲がない人」に適した漢方薬

一番有名な漢方薬

食欲がない人に、よく効く漢方薬で、一番有名なのは、「六君子湯」です。
ですから、食欲不振にはまずこの漢方薬をためしてください。

「六君子湯」は、現代医療の中でも、よく使われており、機能性ディスペプシアから、抗がん剤などの副作用による食欲不振まで、幅広く解決してくれる頼もしい漢方薬です。

出典:龍延賢著『万病回春』

「脾胃虚弱」、飲食少しく思ひ、或は久しく瘧痢を患ひ、若くは内熱を覚え、或は飲食化し難く、酸を作し、虚火に属するを治す。
須らく炮姜を加えて其効甚だ速やかなり。(補益門)

腹候:腹力中等度以下。胃内停水を認める。
気血水:気と水が主体。
六病位:少陽病
脈・舌:舌質は淡白で胖大、舌苔は白滑、白厚膩。脈は軟滑、滑弱。
*「白膩厚苔」は水分の吸収、排泄障害を示す。

勿誤薬室方函口訣

この方は理中湯の変方にて、中気をたすけ、胃を開くの効あり。
ゆえに老人、脾胃虚弱にして、痰あり、飲食を思わず、あるいは大病後、脾胃虚し、食味無きものに用う。(浅田宗伯)
畢竟、脾胃虚弱、水湿を帯びるものを治す。
死が近くなった病人に、(末期だからといって)
附子剤を与えるのはいだずらに苦しめるだけになりかねない。
その時に六君子湯を与えれば元気も引き立ちて至って楽になるものだ。
『梧竹樓方函口訣、脾胃門』百々漢陰、百々鳩窓著

病名・病態・効能・効果

胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:
胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐。

六君子湯は多くの方剤に含まれ、その薬効の中心部分を構築している。
六君子湯を分解すると、四君子湯と二陳湯になる。
補気が必要であれば、少量の四君子湯を合方する。
胃内の水のさばきを重視すれば、少量の二陳湯を合方する。

漢方医学的適応病態

脾胃気虚の痰湿(脾虚生痰)
元気がない、疲れやすい、、食欲がない、食べると腹が脹るなどの脾胃気虚の症候に、悪心、嘔吐、呑酸、上腹部のつかえ、水様便、胸苦しい、咳嗽、痰が多い、あるいは浮腫などの痰湿の症候を伴うもの。

構成生薬
人参4、白朮4、茯苓4、陳皮2、大棗2、甘草1、生姜0.5

中医学:補気健脾・理気化痰・利水消腫
気を増して胃腸を調え、気をめぐらせて消化管の水を除く
気の不足を補って、胃腸機能を高め、水滞をさばき、補中益気湯の弟分といった趣の漢方である。
元気になるとうつ状態も改善される。

漢方医薬学湯剤使用経験

(1)矢数道明著『臨床応用漢方処方解説』
慢性胃炎・胃下垂症・胃アトニー症等に用いられる。
慢性腹膜炎・胃癌・胃潰瘍・消化不良症・自家中毒症・食欲不振・虚弱者の胃腸型感冒・嘔吐・悪阻・神経衰弱症・肩こり
・虚弱者や老人、脳溢血患者の養生薬に応用される。
(2)龍野一雄編著『改訂新版漢方処方集』
四君子湯の症で胃液分泌過多のあるもの、胃弱、胃液分泌過多、胃下垂。
(3)桑木崇秀著『新版漢方診療ハンドブック』
胃アトニー、胃下垂、慢性胃炎。
慢性下痢のある場合には四君子湯を用いる。

二日酔いで食欲がないとき

二日酔いで食欲がないときには、「半夏瀉心湯」がよく効きます。
みぞおちがつかえ、げっぷが出ているような人に。
暴飲暴食で胃が疲れているようなとき、また口内炎にもよく効きます。

出典 『傷寒論』、『金匱要略』

(1)心下満ちて痛まざる証。(『傷寒論』太陽病下篇)
(2)嘔して腸鳴り、心下痞する証。(『金匱要略』嘔吐えつ下利病篇)

食欲がなく、気力の低下がある場合

食欲がなく、さらに気力の低下がいちじるしい場合には、「補中益気湯」、がよく効きます。

上記、六君子湯、半夏瀉心湯を2週間服用しても効果に満足できない場合は、より効果的な、大山漢方堂薬局 調合漢方薬(オーダーメイド)を、お勧めします。

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