漢方薬養酒用高貴薬解説(1)

漢方薬養酒用高貴薬解説(1)

冬中夏草(とうちゅうかそう)

鱗翅類とくにコウモリガの幼虫に寄生したバッカクキン科のフユムシナツクサタケの子実体(キノコ)を、虫体と共に乾燥したもの。
チベット、雲南省に産する。清代の本草書『本草従新』に初めて載せられた、新しい生薬である。
〔選品〕子実体は黒色で太く、虫体は蚕に似て、表面は明るい黄色で、内部が純白色、豊満で充実しているものが良品。虫体が黒色のものや砕けたもの、虫食いのあるものは劣品である。
〔成分〕脂肪(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸)、粗たんぱく、マンニトール、核酸などを含む。
〔薬効〕強壮、鎮静、鎮咳薬として、病後の虚弱症、インポテンツ、肺結核の吐血、老人性慢性咳嗽、盗汗(寝汗)、自汗、貧血症などに応用する。
〔特記〕近年抗ガン薬としての用途が開発されつつある。

霊芝(れいし)鹿角霊芝(ろっかくれいし)

サルノコシカケ科のマンネンタケまたはその近緑種の子実体を乾燥したもの。
紫芝、赤芝が普通である。
〔選品〕傘が大きく光沢があり、苦味の強いものがよい。
〔成分〕エルゴステロール、多糖類、有機酸、樹脂、クマリン、マンニトールなど含有。アルカロイド、ラクトン類を含むとの報告もある。
〔薬効〕強壮、鎮静薬として、神経衰弱症、不眠症、消化不良、老人性気管支炎の咳嗽などの慢性病に応用する。
〔薬方〕紫芝丸。 
〔特記〕近年抗ガン薬としての用途が開発されつつある。

海馬(かいば)

海龍(かいりゅう)

ヨウジウオ科、ウミウマ属のオオウミウマ(克氏海馬)などの内臓と表面の皮膜を除いて乾燥したもの。
〔選品〕体が大きく、全身が整い、よく乾いていて色白く、虫に食われていないのが佳品。 
〔成分〕未詳。
〔薬効〕強精、催乳薬として、難産、インポテンツ、乳汁不通に用いる。鎮痛薬として腹痛などに応用。 他に、男性ホルモン作用がある。
〔薬方〕海馬湯(木呑湯)、海馬抜毒散など。

鹿茸(ろくじょう)

中国東部、シベリア東部に棲息するシカ科のマンシュウアカジカ(馬鹿茸)およびマンシュウジカ(花鹿茸)の牡のまだ角化していない幼角。
先端部を上台と呼び佳品。
酒に浸して薄く輪切りにして使用。
幼角だけのものを鋸茸、頭蓋骨のついたものをかん茸という。

〔選品〕なるべく小さく、軽い鬆疎のものほど良品。根元の堅いところは劣品。
〔成分〕コラーゲン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、男性ホルモン、核酸、たんぱく質などを含む。
〔薬効〕疲労回復、強精、胃腸機能促進、温補薬として、頭痛、目まい、耳鳴、インポテンツ、腰膝の虚弱、慢性病の虚損などに。
〔薬方〕鹿茸丸、内補鹿茸丸、内金鹿茸丸、鹿茸大補丸、鹿茸散、茸珠丸など。

五味子(ごみし)

マツブサ科のチョウセンゴミシの成熟果実。北五味子という。
〔選品〕表面にしわ様の紋様があり、紫黒色をした、大粒で甘味のあるものが良品
〔成分〕脂肪油、精油、有機酸、リグナン(ゴミシン)など。
〔薬効〕鎮咳、止瀉、滋養、強壮薬として、気管支炎、ゼンソクなどのタンの多いもの、下痢などに用いる。
〔薬方〕小青龍湯、苓桂五味甘草湯、苓甘姜味辛夏仁湯、生脈散、三子湯など。

山茱萸(さんしゅゆ)

ミズキ科のサンシュユの果実。
中国浙江省におもに産する(抗萸肉)。
かつて和山茱萸といったものはグミ科のアキグミの果実で偽品である。
酒に浸して山茱萸酒を作る。

〔選品〕紫黒色で、酸味と渋みがあり、潤いのあるものがよい。古くなったものや、肉の少ないものはよくない。
〔成分〕没食子酸、酒石酸、サポニンなど。
〔薬効〕滋養、強壮薬として、盗汗(ねあせ)、頻尿、インポテンツ、脚気などに用いる。
〔薬方〕八味丸、腎気丸、七腎散、草還丹など。
〔特記〕山茱萸の煎液は、著しい利尿作用があり、血圧を一時的に若干低下させる。試験管内で赤痢菌に対し抗菌作用がある。また、ブドウ状球菌を抑制する作用もある。

肉従蓉(にくじゅうよう)

「大芸」ともいう。中国西北部、蒙古などに自生するハマウツボ科のホンオニクの鱗葉をつけた茎を乾燥したもの。
〔選品〕よく肥えた、大きく、軟らかなものがよい。塩漬けのものは、白色か黄紅色をしているのが上品で、黒色のものは下品。
〔成分〕微量のアルカロイド、結晶性中性物質を含むという報告があるが、詳細不明。
〔薬効〕強壮、強精薬として、インポテンツ、腰膝の冷痛、遺尿、不妊症、帯下、便秘などに用いる。また止血薬として、膀胱出血、腎臓出血にも用いる。
〔薬方〕肉じゅう蓉丸、還少丹、じゅう潤腸丸など。

蒲公英(ほこうえい)

中国産はキク科のモウコタンポポ、シナタンポポなどタンポポ類の根付き全草。 
日本産はカンサイパンポポ、セイヨウタンポポの根。
中国では地方により、ウスベニニガナ、タカサゴソウ、アツバニガナなどタンポポ属でないキク科植物の全草をも蒲公英と称する。
〔選品〕よく乾いており、土が付いておらず、混じりけがなく、葉の色が鮮やかで、わずかに香気のあるものがよい。
〔成分〕ルテロール類、イヌリン、ペクチンなどを含む。
〔薬効〕解熱、消炎、健胃、利尿、催乳薬として、乳癰、皮膚カイヨウ、眼疾腫痛、消化不良、大便秘結、小便不利、感冒、咽喉炎、淋病、乳汁不足などに応用する。
〔薬方〕蒲公英湯など。

猪苓(ちょれい)

サルノコシカケ科のチョレイマイタケの菌核。
深い山中のブナ科やカエデ科植物の枯れた根に寄生する。
日本産は軽質(真猪苓)で、中国産は硬質(唐猪苓)である。
近年、非常に減少して高価になっており、日本には韓国産猪苓が輸入されるが、品質は日本産に似ている。
〔選品〕皮が黒く、光沢があり、内部は白くよくしまり、太ったものがよい。やせた小さなものや、しなびたもの、内面が淡紅色、淡黒色、淡赭色を帯びているものは、下品。
〔成分〕有効成分は未詳。 
〔薬効〕解熱、止渇、利尿薬として、小便不利、口渇、腎臓疾患などに応用する。
〔薬方〕猪苓湯、五苓散、猪苓散、分消湯、分消散など。

反鼻(はんぴ)

クサリヘビ科のマムシの内臓を取り出し、皮をはいで長く伸ばして乾燥したもの。
ときには、ハブ、ヒメハブも用いられるが、現在の市場品はほとんどが韓国産のマムシである。
〔選品〕淡灰色をした半透明の新しいものがよい。時間がたつにつれ不透明になるが、暗色を帯びなければ支障はない。黒褐色に変わったもの、虫のついたものは劣品。
〔成分〕有効成分未詳。日本産マムシには、数種のアミノ酸、脂肪などが知られている。
〔薬効〕日本では強壮、興奮薬として、粉末または黒焼きにして、過労時、冷え症などに内服する。また、黒焼きを民間的に切り傷、化膿性腫瘍に外用する。
〔薬方〕天南星丸、伯州散など。
〔特記〕マムシ毒は血液毒で、急性致死の原因は、内臓血管障害による中枢性呼吸マヒを主とし、慢性致死は諸臓器の機能障害による。

丹参(たんじん)

シソ科のサルビア属のタンジンの根を乾燥したもので、四川省産のものが品質最良である。
中国には「甘粛丹参」と称するものがあるが、この根はきわめて粗大。
〔選品〕形が大きく、長さ20㌢ほど、径1.5㌢ほど、紅色ガ濃く、細根を除いた、充実して折れていないものが佳品。短く細いものほど等級が低い。
〔成分〕フェナントラキノン系色素を含む。
〔薬効〕活血、調経、消腫、鎮痛薬として、月経不調、腹痛、経閉、産後の悪阻腹痛、リウマチなどに応用する。
〔薬方〕丹参散、丹参湯など

竹節人参(ちくせつにんじん)

ウコギ科のトチバニンジンの根茎をそのまま、あるいは湯通しにして乾燥したもの。
初年茎に付した直根部分を「直根人参」または「玉人参」と称するが、まれである。
〔選品〕淡黄色のなるべく肥えたものがよい。小さいものや、やせて細いものはよくない。
〔成分〕サポニン配糖体など。
〔薬効〕去痰、解熱、健胃薬として胃部の熱感や水分停滞感、心下部のつかえなどに応用。
〔薬方〕人参の代用として、小柴胡湯、半夏瀉心湯などに配合される。
〔特記〕人参に比べて新陳代謝機能の賦活作用は劣るが、健胃、解熱、去痰作用は優るといわれている。

チャーガ(カバノアナタケ、シベリア霊芝)

白樺に寄生するキノコで、サルノコシカケの一種。
別名をカバノアタナケともいう。 
ロシアでは薬用酒として飲用していた。
抗酸化作用に優れ、制がん作用の高いβ-D-グルカンも豊富に含まれる。
免疫力が高まることなどから研究が進んでいる。

メシマコブ

タバコウロコタケ科でキコブタケの仲間に属する多年生のキノコ。
学名をフェリナス・リンテウスといいサルノコシカケの一種でもある。
漢方の生薬として知られ、抗腫瘍作用や増殖抑制効果があるとされている。

ヤマブシタケ

タバコウロコタケ科でキコブタケの仲間に属する多年生のキノコ。
学名をフェリナス・リンテウスといいサルノコシカケの一種でもある。
漢方の生薬として知られ、抗腫瘍作用や増殖抑制効果があるとされている。

アガリクス

ブラジル郊外の山中を原産とする担子菌類(キノコ)で、学名が「アガリクス・プラゼイ・ムリル」、和名をヒメマツタケという。
成分中には免疫細胞を活性化したり、抗腫瘍作用を持つといわれるβ-D-グルカンなどの高分子多糖類が豊富に含まれる。

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