「ベルクミン（中黄膏）」

１８０４年に世界で初めて全身麻酔剤「通仙散」による乳がんの摘出手術に成功した華岡青洲は、数々の薬の創製者でもあった。
今回の「ベルクミン」も「紫雲膏」と並ぶ青洲創製の軟膏で、もともとは「中黄膏」といったが、それを現代的な名前にしたものだ。

愛用者が言う。 「子供がアトピーで、特に気になったのが顔。真っ赤な顔で外を歩く子供がかわいそうで、ステロイド軟膏を使ったら、皮膚は薄くなり血管が浮いてきた。そこで漢方薬局で勧められたこの薬を使ったら、かゆみも治まり、少しずつ赤みも治ってきた」
しかし、この薬のどこにもアトピーに効くとは書いてない。口コミで広がっているのだ。
青洲が創製した「中黄膏」の成分はウコン、オウバク、オウレンからなっていたが、明治漢方最後の大家といわれた朝田宗伯（「浅田飴」の創製者）が、オウレンを抜いた今日の処方にしたといわれている。
この単純な処方がよく効くのだ。

「ベルクミン」の製造元は名古屋に本社をおく漢方薬の老舗メーカー、松浦薬業。
販売を担当する松浦漢方の原田邦夫常務取締役（５８）が効能を話す。
「本剤は消炎解毒作用のあるオウバク、ウコンを配合した軟膏で、熱性の皮膚疾患や化膿によく、熱を取って排膿作用があり疼痛を緩解し、出血を止め、うっ血を散らす効があります。やけど、ただれ、すり傷、切り傷をはじめ、痔の腫れ、出血などの症状にも効果がありますが、特に、患部が熱を持ったような症状には効果的です。それで、アトピーの患者さんに愛用されているのだと思います。家庭の常備薬として最適な薬と自負しております」

ベルクミン軟膏

５０グラム　２５００円（税込み）