皮膚病に効果的な漢方薬(3)

皮膚病に効果的な漢方薬(3)

清熱利湿薬

①清熱化湿・活血・升提=乙字湯(方函口訣)

当帰 甘・辛、温(補血、行血、潤腸、調訣)
柴胡 苦、微寒(解表、解熱、疏肝解鬱、升挙陽気)
升麻 甘、辛、微寒(発表透疹、清熱解毒、昇挙陽)
黄今 苦、寒(清熱燥湿、瀉火解毒、安胎)
大黄 苦、寒(瀉熱通腸、清熱瀉火、行お破積)
甘草 甘、平(補脾益気、清熱解毒、潤肺止咳)
「脱肛・痔核脱出」に用いる処方。
脱肛や痔核の脱出で、疼痛・出血などを伴う時に。
また、外陰部のかゆみ・湿疹にも用いる。
舌苔は黄賦、脈は弦滑。

②清熱解毒・消散疔瘡=五味消毒飲(医宗金鑑)

金銀花 甘、寒(清熱解毒、涼血止痢、疏散風熱)
野菊花 苦,辛、微寒(清熱解毒・消腫)
蒲公英 苦・甘、寒(清熱解毒、消腫散結、利水通淋)
紫花地丁 甘・苦、寒・小毒(清熱解毒、消腫散結、利尿)
「疔瘡腫毒」に用いる処方。
疔瘡腫毒:発赤・腫脹・熱感・疼痛、肌は隆起し患部が堅硬。
舌苔は紅、舌苔は黄、脈は数。

③清熱解毒・消散疔瘡=三金湯

金銀花 甘、寒(清熱解毒・涼血止痢、疏散風熱)
野菊花 苦・辛、微寒(清熱解毒・消腫)
蒲公英 苦・甘、寒(清熱解毒・消腫散結、利水通淋)
五味消毒飲から、清熱解毒薬3種を抜粋した処方。
「発赤・腫痛」など、熱性皮膚疾患に用いる。

④清熱解毒・活血、五物解毒湯(方輿硯)

川弓 辛、温(活血行気、去風止痛)
荊芥 辛、微温(きょ風解表、止血)
金銀花 甘、寒(清熱解毒、涼血止痢、疏散風熱)
十薬 辛、微寒(清湿熱、消溜腫)
大黄 苦、寒(瀉熱通腸、清熱瀉火、行お破積)
「化膿性や掻痒性の皮膚疾患」に用いる処方。
小発疹を繰り返す場合に。

⑤滋陰清熱=三物黄今湯(金匱要略)

地黄 苦、寒(清熱涼血、生津)
黄今 苦、寒(清熱燥湿、瀉火解毒、安胎)
苦参 苦、寒(清熱燥湿、疏風殺虫)
元来、「婦人草蓐(産褥)で、煩熱する者」に用いる処方。
陰虚火旺に対する基本処方と考えて良い。
治婦人在草蓐、能発路得風、四肢苦煩熱、頭痛者、興小柴胡湯。
頭不通痛但煩者、此湯(三物黄今湯)主之。《金匱要略》

⑥疏風・清熱化湿・養血潤燥=消風散(外科正宗)

荊芥 辛、微温(去風解表、止血)
防風 辛・甘、微温(去風解表、止血)
当帰 甘・辛、温(補血、行血、潤腸、腸経)
地黄 苦、寒(清熱涼血、生津)
苦参 苦、寒(清熱燥湿、去風殺虫)
蒼朮 苦・辛、温(燥湿健脾、去風湿)
蝉退 鹹・甘、寒(疏散風熱、利咽喉、定驚癇)
胡麻仁 甘、平(潤燥滑腸、滋養肝腎)
牛蒡子 辛・苦、寒(疏散風熱、去痰止咳、清熱解毒)
知母 苦、寒(清熱瀉火、滋腎潤燥)
石膏 辛・甘、大寒(清熱瀉火、解渇、除煩)
甘草 甘、平(補脾益気、清熱解毒、潤肺止咳)
木通 苦、寒(降火利水、通乳)
「炎症性で、痒みを伴う皮疹」に用いる代表処方。
風湿熱の皮疹:強い痒み(夜間増悪)、局所の発赤と熱感滲湿液が多い
または水泡形成、身体の火照・熱感、口渇などが見られる。
舌質は紅、舌苔は微黄。

発赤・熱感強い+黄連解毒湯・五物解毒湯等
水泡・浮腫・滲湿液多い +越婢加朮湯
乾燥傾向+温清飲

⑦去風・清熱解毒・活血化湿=治頭瘡一方(香川修庵)

連翹 苦、微寒(清熱解毒)
蒼朮 苦、辛、温(乾湿健脾、去風湿)
川弓 辛、温(活血行気、去風止痛)
防風 辛、甘、微温(去風解表、去湿解痙、止瀉止血)
忍冬藤 甘、寒(清熱解毒、疏散風熱、清経絡風熱)
荊芥 辛、微温(去風解表、止血)
甘草 甘、平(補脾益気、清熱解毒、潤肺止咳)
紅花 辛、温(活血通経、去於止痛)
大黄 苦、寒(瀉熱通陽、清熱瀉火、行於破積)
炎症・化膿傾向の皮疹に用いる処方。
風湿熱の皮疹:かゆみ・発赤・熱感・化膿傾向・水泡や滲出物がみられる。
舌質は紅、舌苔は黄、脈は数。

⑧去風化湿・清熱解毒=十味敗毒湯(華岡青洲)

荊芥 辛、微温(去風解表、止血)
防風 辛・甘、微温(去風解表、去湿解痙、止瀉止血)
独活 辛・苦、微温(去風湿、通経絡)
柴胡 苦、微寒(解表、解熱、粗肝解鬱、升挙陽気)
桜皮 (和漢生薬、排膿解毒)
桔梗 苦・辛、平(清肺提気、去痰排膿)
川弓 辛、温(活血行気、去風止痛)
茯苓 甘、平(利水滲湿、健脾和中、寧心安神)
生姜 辛、微温(発汗解表、温中止嘔、解毒)
甘草 甘、平(補脾益気、清熱解毒、潤肺止咳)
炎症や化膿傾向のある皮疹の、初期に用いる処方。
「皮膚化膿症・湿疹・蕁麻疹」などで、風湿熱を呈するものに。
江戸時代の外科医・華岡青洲の創作した処方。

上記、漢方薬を2週間服用しても効果に満足できない場合は、より効果的な、大山漢方堂薬局 調合漢方薬(オーダーメイド)を、お勧めします。

大山漢方堂薬局に、一度、お電話ください。
0283-22-1574(大山漢方で、イゴ・不安・ナシ)

ご相談はお気軽に

著書「脳を守る漢方薬」

認知症、アルツハイマー病、脳血管障害に、光明、最先端科学で、実証された、漢方薬の効果が明かされる。

「脳を守る漢方薬」

エビデンスの解説、紹介
医学博士 大山博行

漢方薬調合します

同じカテゴリの記事

お悩みの症状から探す

ツムラ医療用漢方製剤(症状別)