プレ更年期とは、女性ホルモンの減少によって心身に変化が起こり始める時期。
女性の、35歳~45歳、は「プレ更年期」と呼ばれる時期です。
この時期は、更年期ほど急激ではないものの、閉経に向けて女性ホルモンの分泌量が徐々に減ってくる時期でもあります。
女性ホルモンは、肌や粘膜、骨、血管、脳などカラダのさまざまな機能に影響しているため、プレ更年期であっても、人によっては心身に変化が生じ始めます。
例えばやる気が出ない、疲れやすい、急に暑くなったり寒くなったりする、暑くもないのに汗が出る、めまいがする、イライラしがちといった更年期特有の症状を感じる女性がいます。
また、具体的な症状がなくても、これまでと何か違う、と感じる人もいます。
こうした症状やちょっとした違和感のようなものは、これから更年期を迎える女性にとっては、漠然とした不安に繋がっているようです。
更年期は、閉経(月経が1年以上こなくなること)の前後5年間、と定義されており、一般的に、日本人女性の閉経が平均50歳前後と言われているので、45歳~55歳の10年間が更年期に当たります。
閉経には、まだ時間があっても閉経に向けて心身の変化が生じ始める35歳~45歳の時期を、プレ更年期と言います。
女性は、55歳を過ぎると、ポスト更年期と言われ、基本的には心身が落ち着きを取り戻すようになります。
卵巣の老化と卵胞の急速な減少が起こる。
卵巣は加齢とともに衰えていきますが、もともと女性は、卵巣のなかに、数十万個ほどのたくさんの卵胞(卵子のもと)を持っています。
卵胞は、毎月1個ずつ卵巣のなかで成熟していきますが、その成熟する過程でエストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンが分泌され、精子が子宮内に入りやすいように環境を整えます。
この時期を、「卵胞期」と言います。
そして、成熟した卵胞から卵子が排出される「排卵」が起こります。
排卵後は「黄体期」と呼ばれる時期に入り、卵胞から少量のエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンが分泌され、プロゲステロンによって子宮内は受精卵が育ちやすい環境に整えられます。
排卵後に受精が成立しないと、プロゲステロンの分泌が止まり、排卵から約14日後に子宮内膜がはがれて血液とともに排出される「月経」が起こります。
こうして卵胞期→排卵→黄体期→月経というサイクルが28から35日の周期で繰り返されています。
女性が、もともと持っていた卵胞は、毎月の排卵によって減っていきますが、加齢によっても減少します。
特に、37から38歳を過ぎた頃から急速に減少し、50歳でほぼ消滅します。
このような、加齢にともなう卵胞の数の減少や卵巣の機能低下によって、閉経になります。
卵胞が急速に減少する時期が、前述したプレ更年期に、消滅する時期が更年期に当たります。
卵胞の減少や卵巣の機能低下は女性ホルモンの分泌の減少につながります。
女性ホルモンの分泌は、脳で、うまくコントロールされていますが、卵巣の機能低下によって、脳でのコントロールがうまく行われなくなり、自律神経の働きが乱れることで、プレ更年期、更年期の女性の不調、病気、さまざまな症状を引き起こすことになります。
(排卵後の卵胞を黄体と言い、排卵後、受精が成立しなかった黄体は、しぼんで白体になります。月経は、卵胞や女性ホルモンの変化のサイクルによって起こります。)
卵胞の数が減ってくると、月経周期が短くなってくる。
卵胞から分泌されているエストロゲンやプロゲステロンの量が少なくなるため、脳から、もっとホルモンを分泌しなさい、という指令が出て、これにより、卵巣が過剰に刺激され、排卵が早く起きてしまうわけです。
また、プロゲステロンの量が少なくなると黄体期も短くなり、結果的に月経周期が短くなる。
月経周期が短くなることに加え、月経日数(生理期間)自体が短くなる(少なくなる)、①少量の出血が長く続く、②月経量が減る、③逆に月経量が極端に増えて貧血状態になるといった月経不順(月経異常)が起こります。
これらは、前述のプレ更年期にも、見られ始める人も増えてきており、更年期のはじまりのサインと言えます。
やがて脳が、強く卵巣に指令を送っても反応できなくなり、月経が起こらなくなり、閉経に至る。
卵巣が、脳からの指令に対応できなくなるとホルモンバランスが乱れ、ほてりや、のぼせ、大量の汗をかく、など、さまざまな症状が出るようになります。
プレ更年期や更年期の生理不順(月経異常)は、加齢とともに誰でも起こることですが、日常生活が不安になり、メンタルや体に支障をきたすようなら、お早めに、大山漢方堂薬局、大山さんに、ご相談されるとよいでしょう。
身体に優しい薬用植物、生薬、薬草を用いる漢方薬、副作用の心配がなく、女性ホルモン、自律神経、代謝、免疫のバランスを調える鍼灸、経絡ツボ療法、指圧、マッサージ療法は、プレ更年期、更年期の女性にとって、心強い味方です。
一般的には、まず40歳を過ぎた頃から生理の周期が短くなり、21日程度まで周期が短縮することがあります。
その後も、不規則な周期が続き、45歳頃からは、周期が長くなっていきます。
そして50歳近くになると周期は、2~3ヵ月に一度、などとなり、ついには停止した状態になります。
月経が停止してから1年が経過したら「閉経」になります。
(正常な月経周期⇒ 月経周期が短くなる⇒ 一部は無排卵月経になる⇒ 2~3カ月に1度の稀発月経になり⇒ 閉経)
更年期と聞いて、症状が出る前から不安に思う方も多いかもしれません。
しかし、更年期の症状は、健康な人にも起こります。
不定愁訴と呼ばれる不快な症状は、加齢変化によって生じる心身の反応なのです。
不快な症状が出はじめると、どうしても元の状態に戻そうと考えがちですが、健康な人にも起こる加齢変化ですから、元に戻そうと焦るのではなく、どのように順応していくべきか、と考えることにしましょう。
プレ更年期(35歳ごろから45歳頃)の女性は、この心身の変化や不調と付き合っていくことになるので、その付き合い方の、上手い下手によって、その後の健康状態が左右されます。
プレ更年期の不調が悪化せず、少しでも軽減できるように、上手に対処することが、その後の人生がより快適なものになっていきます。
実際の年齢よりも、若々しい体や心、さらには将来の健康と美容まで、自分自身で高めることができる力、これが、東洋医学の「自己健美力」と言います。
更年期に見られるような、老化が原因の不調に、うまく対処出来ない女性は、自己健美力が低下している女性と、とらえることができます。
そこで、うまく活用したいのが東洋医学(漢方薬・鍼灸・経絡ツボ療法・指圧・マッサージ)の力です。
プレ更年期や更年期にみられるような、さまざまな病気(プレ更年期、更年期障害、メンタル、子宮、卵巣、バストの病気)、病名のつかない不定愁訴への対処に、前述の東洋医学の手法は、非常に適しています。
大山漢方堂薬局(鍼灸院併設)で、プレ更年期の自己健美力を高めるポイントは、東洋医学(漢方薬・鍼灸)と悪い生活習慣の改善、そして、メンタル・ヘルス(臨床心理学)、心の持ち方について、解説していきます。
東洋医学では、生命を営むエネルギーを「気」、血液、血流を意味する「血」、リンパ液などの血液以外の体液を意味する「水」が、身体の中を、バランスよく、めぐっている状態を「健康」と捉えます。
「気血水」は、お互い密接に関連し、影響を及ぼしあっています。
プレ更年期、更年期には、この「気血水」のバランスが乱れ、めぐりや働きが悪くなることで、多種多様の症状があらわれると考えます。
東洋医学は、「バランスの医学」と呼ばれ、この乱れたバランスを整え、改善するように働きます。
昔から女性の不調には、漢方・鍼灸が使われてきました。
このように、東洋医学(漢方・鍼灸)は、女性の味方であり、「プレ更年期、更年期の不調には、東洋医学(漢方・鍼灸)の力で、副作用なく、まったく健全に対処できる」ということをあらかじめ知っておくだけで、プレ更年期、更年期の女性は、気持ちが軽くなるのではないでしょうか!
また、プレ更年期の時期から、気血水のバランスが崩れていると、本格的な更年期を迎えた際には、程度の差はあるものの、一層、症状が酷くなります。
逆に、プレ更年期の時期に、気血水のバランスを整えておくことで、更年期に気血水の乱れによる症状があらわれても、症状が軽くてすみ、重度の更年期の病気(重い更年期障害、子宮、卵巣、バストの病気)にならなくて済みます。
そのためには、早めに、かつ、こまめに、に対処することが大切です。
生活習慣を変えるのは、なかなか難しいですが、気血水のバランスを整えるために、まず、できることから、生活意識を変えてみましょう。
「肩の力を少し抜いてみる」
20歳~30歳前半は、体調不良(不調)で立ち止まることをせず、深刻な不調(病気)になってから、体調の悪さに気づくことが多いものですが、35歳~40歳代に入ったら、意識的に肩の力を少し抜き、心身の変化に耳を傾けて、ちょっとした不調の段階で、立ち止まる習慣をつけてみるのがよいです。
「嗜好の変化に敏感になる」
嗜好が普段と違うことは、カラダのバランスが崩れていることのサインとも言えます。
この変化に、早く気付き、うまく対処してください。
「メンタルヘルスを考える」
プレ更年期、更年期では、心と体の両方に症状がでます。
東洋医学(漢方・鍼灸)では、「心身一如(心と体は1つである)」という考え方から、心と体のバランスを保つことが大切。
「喜ぶ」という感情は、東洋医学(漢方・鍼灸)の「心」と関わっています。
「心」は、心臓の役割でもある血液循環と関連があり、また、覚醒・睡眠リズムの調整をしています。
趣味などを通じて、心を喜ばせることは、血行(血のめぐり=血液循環)を促進することになります。
そういった機会を作ることで、日常と非日常の「オン」と「オフ」を、うまく切り替えることができます。
「過度な感情に振り回されることなく、心の平安を保ち、「気」の働きを整える。
東洋医学(漢方・鍼灸)では、感情は、「気」の巡りに影響を与えることになります。
「喜び」に加え、「怒る」、「思い悩む」、「悲しむ」、「憂える」、「驚く」、「恐れる」の7つの感情(七情)は、度が過ぎると不調(体調不良⇒病気=病は気から生じる)の原因となり、「気血水」の「気」が弱くなることで、老化を早める恐れがあります。
「以前の楽しい記憶をたどり、意識的に笑顔を作る、鏡に自分の笑顔を映し、気持ちを前向きにする。」
気分が落ち込んだり、気持ちに余裕がなくなった時は、意識的に笑顔を作り、鏡に自分の笑顔を映してみる。
こわばっていた顔の表情が緩むことで、一呼吸置いて落ち着くことができ、前向きな気持ちになれます。
笑うことは、脳の活性化、リラックスにもつながります。
これでも上手く行かない時は、「心の健康相談室]、大山博行さんに相談するのがよいでしょう。
TEL: 0283-22-1607
ヘルスサイエンス佐野「心の健康相談室」
「意識的に筋肉をゆるめることで、心をリラックスさせる。」
ホルモン、自律神経のバランスが崩れて、イライラして、怒りっぽくなる(易怒)など、気持ちが昂る、興奮状態では、筋肉も収縮、緊張しています。
特に、首筋、肩、背中にかけての凝り、筋肉が固まっている(張っている)と、心の平安(リラックス)は得られません。
最近は、ずっと興奮、緊張していると感じたら、首筋、肩、背中をホットタオルで温めたり、首筋、肩、背中を、マッサージしたり、檀中(だんちゅう)(左右の乳首を結ぶ線の中央)をお風呂に入ったときに押してみるとよいです。
自分でするのが面倒なとき、重度の過緊張状態の時は、大山鍼灸院に相談するのがよいでしょう。
鍼灸を現代病に活かす、大山鍼灸院 TEL: 0283-22-1389
大山宗伯東洋医学記念館鍼灸治療室 TEL: 0283-23-8454