女性の更年期(2)

女性の更年期(2)

女性ホルモンのバランスが崩れるとどうなる?

「卵巣機能の低下にともなって起きる女性ホルモンの急激な減少は、なぜ心身にいろいろな症状を起こすのでしょうか?」 
ホルモンは、体の働きを常に安定させるように、臓器や組織の機能を調節する微量な物質です。
内分泌腺といわれる特定のホルモンを産生する臓器から、からだの内外の変化に対応するのに必要な量が分泌されます。
脳の視床下部や下垂体にある中枢が血液中のホルモン濃度をチェックし、ホルモンの分泌量を抑制したり、促進したりします。

さて、更年期になると、生命の最高指令本部である脳や下垂体は、卵巣(卵巣機能の低下で女性ホルモンの分泌量が減少してくる)に向けて、猛烈にアタックを開始します。
これは、不足してきた卵巣での女性ホルモンの分泌を促すためですが、 しかし、今まで中枢神経の命令(司令)に、こたえて女性ホルモンのバランスを回復できた卵巣は、加齢による機能低下によって、それにこたえることができなくなっています。
それでも最高指令本部、中枢神経(下垂体)は性腺刺激ホルモンというホルモンを分泌しつづけて、卵巣に働きかけていきます。
すなわち中枢と卵巣の間で、ホルモン分泌をめぐるかけ引きが繰り返され、その中枢の必死の努力は限界をこえると破綻をきたしてしまうのです。
つまり、中枢のオーバーワークが更年期特有の症状を導きだしているといえるわけです。
しかし、この現象は、程度の差こそあれ、女性であればだれでも迎える加齢による体の変化なのです。

実は、男性にもある更年期障害

男性の場合は、卵巣機能が停止し、からだが劇的に変化する女性のように明らかな変化は見られません。
しかし、男性の場合も加齢による全身の生理機能の低下は避けて通ることはできません。
この時期、多くの男性は社会的な活動の最盛期であり、また、人によっては家族構成の変化が起きたり、夫婦間の葛藤が表面化しやすい時期で、ストレスを受けやすい環境のなかにいます。
そのために、男性も更年期の存在を自覚し、心身の健康を真剣に問いなおすことが必要です。
ここにも、東洋医学(漢方薬・鍼灸など)は威力を発揮します。その方法論は、後で詳しく述べます。

更年期の女性の体はどのように変わっていくのか?

女性ホルモンは、女性の全て、全身を、その影響下に置いています。
そのため、女性ホルモンの減少は、女性の全て、全身のいろいろな器官や臓器の変化に、直接的に関わります。

女性ホルモンが減少するとこうなる(女性の体の変化)

1)自律神経が乱れてくる
2)月経が不規則になる
3)排卵が不規則になり、なくなる
4)閉経する
5)膣内の粘膜が薄くなり、潤いがなくなる
6)膣の自浄作用が低下する
7)排尿器官の括約筋や膀胱粘膜の萎縮が起きる
8)皮膚のしわ、たるみ、しみ等がふえる
9)皮膚にしびれ、かゆみ、蟻走感を感じる
10)骨量が減少する
11)皮下脂肪が厚くなり、体重が増加する
12)動脈硬化をきたしやすくなる
13)精神・神経症状が現れる
14)脳機能の低下

と、ここまでの説明で、今まで健康であったあなたは、更年期のからだの変化に驚きの気持ちを持ったかもしれません。
しかし、更年期以降の健康維持、増進が、いかに重要化、さらに、今までとはまったく違うケアに基づかなければならないことにも
気づかれたのではないでしょうか。

自分自身で、意識的に、頻繁に「健康チェック」をして、それに対処する

1)体重、血圧、心臓の状態、脂肪量やその状態、骨量、筋肉の強さなどの状況を知り、自分自身を冷静に見る。
2)栄養のバランスを真剣に考えて、食生活を充実させる。
3)積極的に運動を取り入れる。

心身の健康を基本として、自身の「生活習慣を整える」ことによって、更年期とその後に続く老年期の生活の質を向上させることができます!

 

ご相談はお気軽に

著書「脳を守る漢方薬」

認知症、アルツハイマー病、脳血管障害に、光明、最先端科学で、実証された、漢方薬の効果が明かされる。

「脳を守る漢方薬」

エビデンスの解説、紹介
医学博士 大山博行

同じカテゴリの記事

お悩みの症状から探す

ツムラ医療用漢方製剤(症状別)