天然メシマコブ 「いま、蘇る伝説のキノコ 」 (2)

天然メシマコブ 「いま、蘇る伝説のキノコ 」 (2)

メシマコブとは

名前の由来

昆布の一種かとも思われがちなメシマコブとは、一体どんなキノコなのだろうか。

ちょっと不思議なこの名前は、日本では野生種の桑で知られた、長崎のはるか西方の沖合に浮かぶ男女群島の「女島(めしま)」に因んでいる。
この島に育つ野性の桑に寄生し、まるで〝木のコブ〝のように育つキノコであるところから、この和名(俗名)が付けられたとされているが、もともと稀少なうえ、養蚕業の衰退とともに桑の木が減少したことなどもあり、現在は同地でも発見するのは難しいと言われている。

メシマコブの学名はPhellinuslinteusであるが、最初にメキシコ東南部に突出するユカタン半島で発見されたことから、Phellinusyucatensisとも呼ばれる。
中国では植物名としては「針裂蹄」と言い、漢薬名としては「桑黄(そうおう)」と呼ばれている。

メシマコブの産地

メシマコブは中国、フィリピン、オーストラリア、北米、中南米、日本(本州以南)などに広く分布しており、中国ではかなり広範囲に見られる。

寄生樹は主に桑の古木で、その他、ブナ、シイ、カバなどの闊葉樹(広葉樹)の古木にも寄生すると言われる。
寄生した古木の心材を廃朽し枯死させるサルノコシカケ型の白色廃朽菌で、コブ状から次第に扇状に育っていく。

成長したときの形状は馬蹄型で、幅6~12cm、傘の表面は、初めは暗褐色の短密毛に覆われているが、やがて脱毛し偽殻化して、黒褐色・黒灰色を呈し、縦横に顕著な環溝と亀裂を生じて粗荒となる。
縁辺の最新生部は鮮黄色、下面は初め鮮黄色で、後に黄褐色となる。

肉は黄褐色で、殻皮層は発達しない。
下面の菅孔は多層で黄色・黄褐色の楔形の剛毛が生えている。
この剛毛が天然メシマコブの大きな特長であり、他のキノコと区別する際のポイントとなる。

漢方薬では桑黄

メシマコブの代表的な産地である中国では、先にも記したがメシマコブを「桑黄」と称しているが、実際には桑などに寄生する硬いキノコ類を総称して桑黄としている。

本草書にも記載があり、古来、薬用として使われていたが、日本はもとより、中国でも、漢方ではあまり用いられていない。
日本では民間薬として「梅寄生」などの名称で、サルノコシカケ型キノコが使用されてきた経緯があるが、そのキノコの基原は特定のものではない。中国でも同様である。

現在、中国で桑黄と称するものの基原は、キコブタケ(Phellinus igniarius)で、タバコウロコタケ科キコブタケ属のキコブタケを指し、メシマコブ(Phellinus linteus)とは基原が異なる。
メシマコブの形態は、ツリガネタケ、ツガルサルノコシカケ、コフキサルノコシカケなどに似ているため、よく間違えられる。
キコブタケ属には約200種類のキノコが属す。
中国で桑黄と言われるキコブタケとメシマコブは同属であるが、かなり遠い位置に属する。

現在、中国で桑黄(メシマコブ)として流通しているキノコの中にはキコブタケ属のキノコだけではなく、マンネンタケ属に属するキノコなども含まれ、真正のメシマコブを見つけ出すことは至難の技とも言われている。

学名

科名--タバコウロコタケ(Hymenochaetaceae)
種名--Phellinus linteus(Berk et Crut.)Teng 〔=Phellinus yucatensis(Murr.)Imaz.〕

学名の意味

科名--HymenochaetaceaeはHymenium-子実体にchaeto-毛が多いことによる。
種名--yucatensisはユカタン半島で最初に発見され、命名されたことによる。
和名--野生の桑の生育地で名高い長崎県男女群島の女島で多く採集されたことに由来しているといわれている。

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