「 中国で、新型コロナウイルスによる肺炎患者に、漢方薬(清肺排毒湯)を投与し、3日間服用で、有効率90%以上 」
という報道を聞きました。
清肺排毒湯は、21種類の生薬で構成されています。
新型コロナウイルスの感染は、飛染感染と接触感染が考えられます。空気感染の可能性は低いとされています。
感染力が非常に強く、潜伏期、3~14日を経て発症します。
感染初期は、①だるさなどの全身倦怠感、②セキ、ノドの炎症、③持続する発熱、④臭覚、味覚異常 などです。
漢方医学的には、「温病」=強い感染力、発熱、セキ、咽頭痛を起こす病態、ウイルスによる熱性感染症全般をさします。
現代では、インフルエンザがその代表的なものであり、ウイルスは、まず、肺に取付き発熱させ、セキを誘発(肺熱)し、血中に侵入、
身体を急速に侵し、最終的には生命を奪います(死に至る)。
中国では、西暦1800年頃までに、強い感染力を持つ熱性感染症で、多くの人が亡くなった歴史があります。
現代的な病名を挙げれば、インフルエンザ、ヘルペス、帯状疱疹、天然痘、赤痢、ウイルス性肝炎、チフス、コレラ、ペストなどです。
当時の医師たちは、目の前で倒れていく人々、死んでいく人々、に対して、できる限りの医療思考と懸命な投薬、試行錯誤があったのでしょう、
その時に重ねられた臨床経験から、下記、①~④までの作用を持つ薬草、生薬、漢方薬が伝承されました。
①抗ウイルス作用=ウイルス感染や体内での増殖を抑える作用、
②抗菌作用=細菌感染や体内での増殖を抑える作用、
③免疫増強作用=体の免疫力を強くする作用、
④解熱、消炎鎮痛作用=熱を下げる作用と痛みや腫れなどを抑える(抗炎症)作用
新型コロナウイルスの日本での感染者拡大に関連して、医療機関での患者受け入れ中止の事態となる可能性も出てきました。
特効薬、ワクチンの開発、製造にも、まだ時間がかかります。 大切な命を守るために、経験医学、漢方薬での対処法を、もう一度真剣に考えます。
新型コロナウイルスは、強い感染力を持ち、感染すれば「発熱が続き、咳、ノドの炎症、だるさ」が現れる熱性感染症です。
肺炎を誘発しやすく、呼吸困難などから死亡する人も増えています。
呼吸の乱れは、急速に身体を弱らせます。 持病を持つ方、他の疾患で治療中の方は、特に注意が必要です。
新型コロナウイルスは、 ①感染力が強い、②発熱が続く、③急速に悪化する、の特徴から、漢方医学では「温病」として捉え、
熱性感染症を治療する衛気営血弁証論の知識から、薬草、生薬、漢方薬を選びます。
今回の新型コロナウイルスのような熱性感染症で、多くの人命が失われる中、過去のウイルス感染症(熱性感染症)患者に対する漢方薬投与による実際の治療経験から得られる知識は、重要な位置を占めると考えられます。
まず、中国では、抗ウイルス素材として、「板藍根(清熱解毒薬用植物)」が、よく使われています。
さらに、、発熱が続けば、より作用の強い清熱解毒生薬を調合した漢方薬を用いています。
特に、中国からの次の報道には、意を強くされます。
「 新型コロナウイルスによる肺炎患者に、漢方薬、「清肺排毒湯」を投与、3日間服用で、有効率90%以上 」
清肺排毒湯は、21種類の生薬を調合したもので、構成生薬から考察すると、この新型コロナウイルスの感染患者には、①発熱して熱感があり、②セキ、ノドの痛みがあり、③嘔吐と下痢があり、④寒気と熱感を繰り返す(漢方医学でいう、往来寒熱)という症状があったのであろうと想像できます。
抗ウイルス生薬 ①板藍根 ②連翹 ③金銀化 ④白花蛇舌草 ⑤紫花地丁 ⑥野菊花 ⑦蒲公英
①潜伏期がある、②初期は無症状、
肺にウイルスが潜むとき、カゼ様の違和感があれば、清熱解毒薬(抗ウイルス生薬)を服用すべき者、と考えられます。
中国では、かつて、人から人へ感染する熱性病で、多くの人が死亡する時代がありました。
その病状から、「毒素を持ち(そのもの自体が毒)、人を死に至らしめる外邪の存在、それが肺から急速に侵入し、重篤な熱症状を起こす。」 と考えました。
高熱を起こすインフルエンザが代表的疾病で、これを「温病」と呼びます。
温病を治療するには、清熱と解毒に働く生薬(清熱解毒薬)が必要になります。
中国では、この清熱解毒薬(薬草、生薬)を、症状、体質、病態に合わせて、複数調合した漢方薬を用いて治療しています。
①金銀花 ②連翹 ③板藍根 ④白花蛇舌草 ⑤紫花地丁 ⑥野菊花 ⑦蒲公英 ⑧ゴオウ