①アレルギー②食欲不振③消化器疾患(胃炎・胃潰瘍・機能性胃腸症・過敏性腸症候群など)④関節リウマチ
⑤不妊症⑥更年期障害⑦ニキビ⑧生理痛⑨冷え性⑩副鼻腔炎(蓄膿症)⑪扁桃炎⑫気管支喘息
⑫がん(手術、抗がん剤、放射線治療の副作用軽減)
東洋医学(漢方薬・鍼灸)による、アレルギー疾患治療がお勧めであるのは次のような人です。
まず、西洋医学治療をすでに行っているが、中止すると元に戻ってしまったり、悪化してしまったりする人。
また、薬を飲むと症状が収まるが、副作用のため服薬を続けられない人、ある程度良くなったが鼻水など他のアレルギー症状が改善しない人などです。
西洋医学が、症状を抑えることに着目しているのに対し、漢方ではアレルギー体質の改善を目標としています。
漢方薬・鍼灸治療によってアレルギー体質の改善を行うことは十分可能です。
しかしながら、現在生じているアレルギー症状が軽症または中症まではある程度対応可能ですが、それ以上重くなると西洋医学的処方(病院から処方された合成新薬)と併用することもあります。
いずれにしても、アレルギー症状は放置すると進行することがあるため、はやめのご来店をおすすめします。
とくに花粉症はシーズン前の来院が大切です。
食欲不振で悩んでいる人は多くいます。
食欲不振による漢方治療が向いている人は、西洋医学治療をすでに行っているが、中止すると元に戻ってしまったり、悪化してしまったりする人です。
また、薬を飲むと症状が収まるが、副作用のため服薬を続けられない人、ある程度良くなったがまだ症状が改善しない人などです。
西洋医学的な処方によって食欲不振を一時的に改善することはできます。
しかし、多くの場合服薬を中止すると元に戻ってしまうようです。
それは結局、体質が改善されていないためです。
漢方では低下してしまった機能を正常に近づけ、消化器だけでなく全身がより健康になるように治療を行います。
とくに、自律神経系統の乱れによる食欲不振やストレス性の食欲不振に効果が大きいようです。
単なる食欲不振にとどまらず、疲れがとれない、すぐに横になる、朝起きられない、いつもふらつくなどの症状を合併する場合は、消化器だけでなく全体の体質改善が必要になります。
これらの場合治療に時間がかかることもしばしばです。
つらい消化器症状を抑えるのに漢方薬は大きな役割をはたします。
西洋医学では、制酸剤をはじめとする各種薬剤が処方されますが、これは症状を一時抑えることを目的としており、本質的な改善には至っていません。
胃炎をはじめとする消化器症状はストレスが関与することが多いために、体質やストレスをコーピングしないことにはこれらの症状はなかなか良くなりません。
とくに、大きな異常がないにもかかわらず症状が生じる機能性胃腸症の改善には、心身の状態を総合的に捉える漢方治療がよく効くことが多いようです。
また、便秘によって生活に大きな支障をもたらされるほど悩んでいる人は多いものです。
生活習慣や食生活などの改善を行うと同時に、体質改善を行う調合漢方薬を併用することで、便秘症状の改善を目指していきます。
関節リウマチをはじめとする免疫疾患の多くが、女性に発症します。
こういった免疫疾患には、悪化誘引があります。
具体的には不規則な生活、睡眠不足、疲れをためる、ストレスをためる等です。
仕事が忙しく食事を抜く等、身体・精神的に強いプレッシャーが加わったときに悪化しやすいといわれています。
また、こういった免疫疾患は完全に治癒するのが難しいため、寛解という概念が用いられています。
いくつかの病気は、難病指定されているものもあり、西洋医学的治療では限界があるといわざるをえません。
漢方治療を併用することによって、免疫力を高め体質改善をはかり、悪化しづらくすることをサポートしていきます。
これまで西洋医学ではどうにもならなかったという患者さんにとってひとつの選択肢となります。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)による治療は、不妊治療の大きな一助をはたします。
妊娠や出産にまつわるホルモンバランスは非常にデリケートであり、ちょっとしたストレスや環境の影響を大きく受けやすいものです。
不妊の原因は、ひとつではありません。
そのため、心身のバランスを整えることで、妊娠しやすい体質づくりを目指していきます。
とくに、「冷え」は不妊の大敵と考えられています。
骨盤周囲の血流を促進させるだけでなく、全身の冷えを改善させることによって、受精しやすく、また受精卵が育ちやすい環境を整えていきます。
また当然ながら生理不順なども改善されていきます。
西洋医学では、不妊治療は、女性に多大な「心身的、精神的ダメージ」を与えますが、漢方薬による治療はそういった痛みや苦痛が少ないといったメリットもあります。
ストレスが少なく、治療効果が大きいのが東洋医学(漢方薬・鍼灸治療)の利点です。
更年期障害とは、卵巣機能の低下によるエストロゲン欠乏、特にエストラジオールの欠乏に基づくホルモンバランスの崩れにより起こる症候群といわれています。
女性では、閉経(50歳前後)に女性ホルモンであるエストロゲンが低下することによって発生します。
更年期障害と診断される人は、更年期女性の2-3割とされており少なくありません。
症状は多岐にわたりますが、心身の不調がおもです。
漢方では、自律神経失調症様の症状、たとえば、動機、血圧変動、腹痛、微熱、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、多汗、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、不眠、疲労感、口の渇き、のどのつかえ、息切れ、下痢、便秘、腰痛といった心身の不調和を総合的に解消していきます。
また、精神的な安定ももたらされます。
ニキビは、年齢にもよりますが体質によっても左右されるため、西洋医学で完全に改善することは困難です。
多くの場合は、内服薬を飲んでいる間や塗布薬を塗っている間は抑えられていても、治療をやめると元に戻ってしまう、というものです。
漢方治療であれば、こういったニキビ体質の改善が可能です。
ニキビは炎症や熱がこもることによって悪化や化膿していくことが知られています。
漢方治療ではこれらの体質を改善し、ニキビができにくい体質づくりをしていきます。
生理痛の原因はいくつかありますが、おもなものは月経血を排出するときの子宮の収縮によるもの、ホルモンバランスのくずれによる骨盤内のうっ血、経血による全身の血行の悪化、それに伴うストレスなどがあげられます。
症状は、下腹部の痛み、肩こり・むくみ・吐き気・イライラ等。
人によっては下半身の血流不良による腰痛や、頭痛など多岐にわたります。
月経が始まって2~3日目の量が増えるころが症状のピークです。
しかし、生理痛といっても、痛みの程度、症状、痛む場所など、同じ女性であっても千差万別ですから、その方に適した鍼灸治療、その方に適した漢方薬が必要になります。
つまり、その方に適した生薬、薬草を撰び、調合することで、血流を改善し体を温めていきます。
その方の体質・症状に合わせて、細やかな調整を行える点が、調合漢方薬(オーダーメイド)の良い所です。
多くの女性が冷え性に悩まされていますが理由はさまざまです。
全身が冷える方は、新陳代謝が低下しているタイプであることが多く、この状態をエネルギーが低下している「気虚」と呼ぶことがあります。
随伴症状として疲れやすさやだるさなどがあり、すぐに風邪をひいてしまうというような方は気虚であることが多いようです。
漢方薬では、胃腸機能を改善し新陳代謝促進、免疫賦活する薬が有効です。
また、全身ではなく手足だけ冷えるという方もいます。
こういう方は血行障害を伴っていることが多いので、それに適した漢方薬を用いることになります。
西洋医学では、冷えを病気としては捉えませんが、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の世界ではさまざまな病気を引き起こしやすい原因のひとつと捉え、未病を治すつもりではやめに治療していきます。
冷え性は、お灸が特に効果的です。
副鼻腔炎はとくに小児に多く、毎年1000万人以上が発症している身近な病気です。
鼻の炎症が副鼻腔にまで及んだ状態を副鼻腔炎と呼び、症状は、頭痛、鼻づまり、歯痛、目の奥や目の間など痛みなどです。
漢方薬は、通常の副鼻腔炎の治療をしても全く治らない小児にとく良く効きます。
血液循環を改善させて、傷ついた状態の副鼻腔や鼻の中の組織を修復して改善させていきます。
扁桃炎は扁桃付近に、口の中の常在菌が活動して炎症を起こす病気です。
扁桃腺炎ともいわれることもあります。
常在菌には溶連菌やブドウ球菌、肺炎球菌などがあり、溶連菌感染の場合はとくに合併症を起こしやすいことがしられています。
他にウイルス感染で起こることもあります。
主に免疫力の低い小児期に起こりやすいですが、原因となる菌は常在菌であるので、体力が低下した際などに再発することもよくあります。
扁桃炎の腫れや発熱、扁桃腺炎を繰り返す方に体質改善の漢方薬が効果的です。
扁桃腺炎を繰り返す方で、摘出手術をしたくない方にもおすすめです。
漢方薬は、小児に多い扁桃腺炎や慢性扁桃腺炎の予防や急性扁桃炎の痛み、発熱の改善にも効果的です。
気管支喘息は、息を吐くときに「ゼイゼイ」「ゼロゼロ」「ヒューヒュー」といった音がする病気で、気管支という、のどと肺をつなぐ通路が狭くなるために生じます。
朝方や季節の変わり目、たばこの煙やハウスダストを吸い込んだとき、雨や台風などの時に繰り返すようならば、喘息である可能性が高いといえます。
原因の多くはアレルギーと考えられています。
アレルギー体質は遺伝しやすいため注意が必要です。
ひどくなるとちょっとした刺激で気管支が縮まって狭くなり、苦しくなり、発作を生じます。
漢方薬は免疫を刺激して、免疫の働きを高め、こういった発作を起こりにくくします。
がんの術後に漢方薬を処方するケースは案外多いものです。
この場合は、漢方薬によって治療を行うというわけでなく、西洋薬との併用を行うのが一般的です。
多くの場合、西洋医学による処方や、がんの症状によって低下してしまった機能を補う目的で漢方治療がなされます。
西洋医学では、がん細胞をターゲットに治療が行われているため、患者さまの体力低下や副作用には、あまり焦点が当てられていません。
しかしながら、抗がん剤内服時や手術後は、著しく免疫力が低下しさまざまな感染症にかかりやすくなるだけでなく、本人自体の気力や体力も大きく削がれます。
それを補うのに最適なのが漢方薬なのです。
代表的な症状は、吐き気や食欲不振・下痢・嘔吐といった消化器症状。
また、どうにもならないような全身倦怠感、脱力感などの自覚症状の改善も目指していきます。
総合的に体を元気にしていくことによって、免疫力を改善する目的で漢方治療が行われています。
また手術後というのは、再発予防が大切になりますが、免疫力を高めることによって再発予防を行っていくこともできます。
医心方:妊娠脈図