病気の原因と東洋医学(漢方薬・鍼灸)

病気の原因と東洋医学(漢方薬・鍼灸)

病気になる原因

更年期は、さまざまな不定愁訴が起こるのと同時に、生活習慣病にかかりやすい時期でもある。

病気になる3大原因を理解して、東洋医学(漢方薬・鍼灸)で健康な体を作る。
更年期を迎える年代の女性にとって、最も不安なことは、重い病気になったらどうしよう、ということ。
しかし、病気というのはある日突然かかるものではなく、長い間の不摂生や無理が目に見えないところで積み重なって、病気として体に現れる。
だから目に見えない時期に病気の原因を突き止め、取り除き、病気を防ぐ、治す、というのが東洋医学「養生(ようせい=命を養う)医学」の考え方。
病気は何らかの原因が体に悪い影響を与え、バランスを崩すために起こる。
その原因は大きく3つある。

①体の外部からの原因(外因)
②体の内部、精神面からの原因(内因)
③生活の不摂生などによる原因(不内外因)

自分の生活のどこに病気の原因がひそんでいるかをチェック。
東洋医学(漢方薬、鍼灸、臨床心理学)で、それを取り除き、病気になりにくい体を作る。

病気になる3大原因

外因=快適すぎる環境が適応能力を低下させる

東洋医学には「天人合一」、自然と人間は一体である、という考え方が根底にある。逆にいうと、人間と自然の調和が崩れると病気になる。
文明が進むにしたがって、人間は環境をコントロールし、自然にも手を加えて、より快適な生活を作りました。
夏の暑い時でも、冷房がきいていて涼しく過ごせるし、冬の寒い時にも、暖房がきいて暖かく過ごせる。
冬の寒い時に、暖房のきいた暖かい部屋で、冷たい飲み物やアイスクリームを食べることもある。
しかし、自然に逆らった生活が当たり前になった結果、冷え性や冷房病などに悩まされる人が増えてきた。
自然を無視した生活に慣れてしまうと、外の変化に、うまく対応できなくなり、体内のバランスが崩れて病気になる。
人間はもともと環境に適応する能力を持っている=暑い日には汗をかいて新陳代謝を促進=寒い日にも、外で空気にふれ、運動して体を温める。

人間は自然現象の影響を受けながら生きていく生き物

東洋医学(漢方薬、鍼灸)では、自然界の現象「風、寒、暑、湿、乾、熱」を六気といい、人間の体に影響を与えて変化をもたらす外因として考える。
人間は1年を通して六気の影響を受けながら生きている。
自然環境が正常な場合は問題ないが、今までにない猛暑などの異常気象が起こり、人間の適応能力を超えてしまうと体に悪い影響を与える。
六気が異常現象となって病気の原因となることを六淫という。
これらが人間と外界の接点である鼻、口、皮膚から入り込むと病気をもたらす。

自然界の異常現象が、人間の体にどんな影響を与えるのか

例年にない夏の猛暑は暑さに耐える力を低下させて、夏バテやクーラー病などの原因となる。
寒いはずの冬が暖かければ、ウイルスやバイ菌が繁殖し、春にインフルエンザや熱性の風邪などを引き起こす。
こうした病気の原因となる気を「邪気」という。
本来、人間がもっている病気に対する抵抗力や、自然の変化に適応する能力を「正気」という。
正気が充実していると邪気を抑えるパワーがあるので病気にかかりにくいが、不足すると病気にかかりやすくなる。
しかし、昔の人に比べて、現代人は正気がパワー不足の状態にある。
それは冷暖房の普及などで、快適すぎる生活を送れるようになったのが原因のひとつだと考えられている。

内因=病気をよくするのも悪くするのも「心」次第=病は心(気)から生じる

精神的なことが病気の原因となることを内因という。
東洋医学では、「喜、怒、悲、恐、驚、憂、思」 の七つの感情を七情といい、体に影響を与える重要なものだと考える。
仕事や人間関係による慢性的なストレスや、親しい人の死(家族、親友、恋人などの死)といった強いショックを受けると、それだけで病気の引き金となる。
逆に、「うれしい」という感情も度を超すと強いストレスになり、体が対処できずに病気になることがある。
これを内傷七情という。

心の乱れは内臓に大きな影響を与える

七情は、自律神経と深い関係があり、自律神経は臓器の働きと直接関わっている=悩みや心配事、ストレスなどで心理的にダメージを受けると身体機能も異常をきたす。
体調が悪いので検査を受けたけど異常がみつからない場合は、精神的ダメージが自律神経にも悪影響を与えている場合が多い。
特に、更年期症状は、自律神経の失調によるものが多く、心の問題が更年期症状を引き起こしている場合も多い。
七情の乱れは、主に消化器系、自律神経系、免疫系に現れる。
つまり、東洋医学的には、心を癒し、休ませ、コントロールすることによって、病気を防ぎ、病気になりにくい体を作ることができる。
ストレスは、誰にでもあるが、上手につき合っていくことが重要。

不内外因=乱れた食生活、無理な運動

病気の三大原因の3つめ、「不内外因」は、普段の生活の中の不摂生である。
暴飲暴食、運動不足、逆に無理な運動、これらが不内外因に当たる。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)では、食事をとても重要視する。(旬の野菜や果物をとることは、健康を維持する基本となる)
ハウス栽培や食品加工の技術が進み、1年を通してほとんどの食材が手に入る現代では、旬という意識は薄れがちであるが、本来、人間も食べ物にも、季節があって、人間も食べ物にも、それに合った性質を持っている。
例えば、夏野菜であるトマトやキュウリ、南方系の果物スイカなどは、ほてった体を冷やす働きがあり、冬から春が旬の根菜類や長ねぎには体を温める作用がある。
つまり、人間が旬の食べ物をとることは、身体のバランスを保つために重要なことである。
夏の野菜を冬にも食べ続けたり、冬に冷蔵庫で冷やした食べ物や飲み物を多くとったりすると、冷え性や生活習慣病の原因になる。
季節を無視した食生活を送ることは体のためにもよくない。
日本でも、昔から、初物をいただくと長生きする、といわれている。
一年中、何でも手に入る時代に生きているが、できるだけ旬のものを食べることを心がけるとよい。(暴飲暴食は厳禁)

適度な運動は大切、無理をすると逆効果

体を温め、新陳代謝を上げる運動は健康維持のために必須。
年齢や体力を超えて一生懸命になりすぎると体を疲れさせる。
運動の目的は楽しみながら体を鍛え、丈夫にしていくこと=リラックスしながら行うことが大切。
勝敗に、こだわりすぎて、イライラしたり、熱くなったり、とっくに疲れているのに、体を鍛えるため、と無理するのは逆効果。
ヘトヘトになって達成感を味わっても、身体にとってはマイナス。
何事もほどほどに、が健康維持の秘訣。

 

 

 

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