ツボ豆知識(2)

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五行説から生まれた「五臓六腑」

東洋医学では、陰陽五行の自然観を人間のからだにあてはめています。これによると陰は静なるもの、すなわち女性、陽は動なるもの、すなわち男性というように考えられています。
からだの外の部分についても、手のひらや足の裏など内側の静的な部分を陰、手の甲や足の甲など外側の動的な部分を陽といっています。からだの中の部分では、生命をいとなむ主体となる「臓」というものに木、火、土、金、水の五行をそれぞれあてはめています。
すなわち、自然界の木は肝にあたり、火は心にあたり、土は脾にあたり、金は肺にあたり、水は腎にあたるというわけです。
そしてこの肝、心、脾、肺、腎の臓をまとめて五臓と呼んでいるのです。

臓腑の組み合わせで生命を維持

しかし、人間の生命活動は五臓だけでなく、これを助ける存在がそろってはじめて順調におこなわれます。
その助ける存在となるのが「腑」というものです。
いうなれば、臓と腑のコンビネーションが整って、生命が維持されるということになります。
たとえば、肝の臓に対する対する腑は胆とされています。「肝胆相照らす」ということわざは、こうしたところから出たものです。
そのほか、心の臓に対する腑は小腸、脾の臓に対する腑は胃、肺の臓に対する腑は大腸、腎の臓に対する腑は膀胱となっています。

現代医学の臓器名は東洋医学に由来

肝の臓、脾の臓などというとすぐ、現代医学でいう肝臓、脾臓そのものと受け取られがちです。
しかし、東洋医学でいう臓腑と現代医学でいう内臓は、名称に同じ文字を用いていても、すべて同じものとは限りません。
つまり、オランダの「解体新書」が現代医学の書物として初めて日本に入ってきたとき、これを翻訳した杉田玄白らが、ゼロから言葉を生み出すことはできないので、当時、日本で使われていた東洋医学の用事用語を使用したために、臓器と内臓には同じ文字が用いられているというわけです。

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