生活習慣を変えて、がんと戦う、 がんを防ぐ(5)

生活習慣を変えて、がんと戦う、 がんを防ぐ(5)

ストレスが、「がん」をつくる!?

私たちの体には、白血球やNK(ナチュラルキラー)細胞などによる免疫力(免疫防御機能)が備わっています。
これらは日々細菌やウイルス、がん細胞などを破壊しています。
ストレスは、このような体の免疫機能を低下させ、がんをできやすくします。
またストレスは、がんの発生に影響する活性酸素を、体内に大量発生させる原因のひとつにあげられています。

お手軽ストレス解消法

音楽療法
心をリラックスさせる“1/f ゆらぎ”ミュージック。
ちょっぴりストレス気味な時は、好きな音楽を聞いてみる。

アロマテラピー
ストレスによる不眠気味にはラベンダーやカモミール、
心の疲労にはローズマリーの精油(エッセンシャルオイル)を、ぬるめのお風呂にたらして、ゆっくりとつかるとよい。

運動療法
全身を使った運動は、中枢神経を刺激し、ストレスで固まった心や疲れを解きほぐしてくれます。
休日は積極的に体を動かしましょう。
また、心身の疲れには、1回5分程度の体操を毎日続けるとよい。

元気のでる体操
①うつぶせになり、両手を開き、両足をまっすぐに伸ばし体を弓なりにそらす。10回ずつ何セットか行う。
②あお向けに寝て、両手を左右に広げた位置から、2~5kgほどのダンベルを持ち上げる。

食事療法
規則正しい食生活で、ストレスに強くなる3つの栄養素をしっかりとる。
①精神疲労に効果的な、ビタミンB1 = 玄米、豚肉、納豆、ごま、牛レバー、しいたけ
②ストレスを遮断する、ビタミンC = いちご、キウイ、パセリ、ブロッコリー
③イライラを鎮める、カルシウム = 牛乳、チーズ、豆腐、しらす、ひじき、切干大根

がんになりやすい性格 タイプC

アメリカの心理学者リディア・テモショックたちは、進行したがん患者さんにみられる共通の行動パターンに気づきました。
それは、自分の気持ちを押し殺して、他人のことを思いやるまじめで控え目な性格の人が、がんにかかりやすく、また進行も速かったのです。
このがんにかかりやすい性格は「タイプC」と名づけられましたが、こういった人達は、人一倍、絶望感や無力感を体験しやすく、そういった精神的ストレスが免疫機能を低下させ、がんの進行を早めると考えられています。

「たばこ」と「がん」の深い関係

喫煙は肺がんを筆頭に、さまざまながんの発病に関与しており、
男性の場合は、全がん患者の1/3が喫煙者というデータもあるほどです。
「たばこ」は、がんの引き金になるイニシエーターであり、がん化を促進するプロモーターでもある悪役です。
禁煙により肺がんの死亡率は確実に低下することもわかっています。

非喫煙者と比較した喫煙者のがんによる死亡の上昇率

全がん1.65倍
口腔・咽頭がん2.9倍
喉頭がん32.5倍
食道がん2.2倍
肺がん4.5倍
胃がん1.5倍
肝臓がん1.5倍
膵臓がん1.6倍
子宮頸がん1.6倍
膀胱がん 1.6倍

有害な副流煙=周囲の人のためにも禁煙してください!

喫煙は本人だけの問題ではありません。
たばこの先からでる副流煙には本人が吸う煙の10数倍もの強い発がん物質が含まれており、周囲の人の健康にも影響をおよぼすと考えられています。
禁煙は、家族や、周囲の人のためにも必要なことなのです。

年に一度の定期健診 ~早期発見・早期治療でほとんどのがんは治ります~

がんは、その多くは「無症状」で進行し、明らかな自覚症状が出た時には、すでに手遅れというケースがあります。
現在、日本のがん検診技術は世界の最先端レベルにあります。
X線二重造影法や内視鏡などの、わが国で開発された最新技術の登場で、胃壁のヒダにかくれる小さながんでさえ発見できるようになりました。
ほとんどのがんは早期発見・早期治療で治ります。

がんの自己診断

がんは早期発見・早期治療が肝心です。
そのためには定期的に検診を受けることはもちろんですが、日頃から「がん」の警告信号を知り、ふだんから体調をチェックすることが大切。

「ガンの危険信号8か条」 ※がんがあっても無症状の人の方が圧倒的に多いことは事実です。

胃がん = 最近、「胸やけがする」、「胃がもたれる」など胃の調子が悪くないか?
食道がん = 食べ物や飲み物を飲み込む時、つかえるようなことはないか?
舌・皮膚がん = 治りにくいできものや潰瘍はないか?
腎臓・膀胱・前立腺がん = 尿の出が悪かったり、尿に血がまじったりしないか?
大腸・直腸がん = 便秘と下痢をくりかえしていないか?便に血液や粘液がまじっていないか?
子宮がん = おりものがあったり、不正出血はないか?
肺・喉頭がん = せきが続いたり、たんに血が混じっていないか?声がかすれたりしないか?
乳がん = 乳房の中にしこりはないか?

自分でできる乳がん検診

乳がんは、注意していれば自分で発見できるがんです。
毎月、日を決めて(生理が終わった一週間後くらい)チェックする習慣を身につけましょう。

鏡の前で、
①両腕を上下させて、へこみやひきつれがないかチェック
②乳首を軽くつまんで、血液のまじった液が出ないかチェック
③わきの下に3~4本の指を差し入れて、指先を胸壁にそってゆっくりすべらし、リンパ腺がはれていないかチェック
横になって
①腕を伸ばして頭の下に入れ、そろえた3~4本の指の腹を使って乳房の内側半分にしこりがないかチェック
②腕を自然な位置に下げ、そろえた3~4本の指の腹を使って乳房の外側半分にしこりがないかチェック

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