最後に、ボケを予防するための漢方薬の選び方と、食事や日頃の心がけについて、あらためて整理しておきましょう。
ストレスが病気の引き金になることは、何度も述べたとおりです。これを上手に乗り切ることが老化予防の最も重要なポイントと言っても過言ではありません。そのためには、まず、前項で述べた「積極的な生き方」が大切になってきます。言い換えれば「チャレンジ精神」です。
しかし、人間である以上、永遠の若さは夢でしかありません。誰にも必ず「老い」はめぐってきます。「チャレンジ精神を忘れずに積極的に生きよ」と言われても、逆に、そのことが精神的なストレスになることもあるでしょう。
「ありのままの自分」を受け入れること、つまり、現実に目をそらすことなく認めることも、じつは勇気のいる積極的な生き方なのです。
個人差はありますが、60歳代、70歳代はいわゆる「チャレンジ精神」が前面に出てもいい年代です。しかし、80歳代になったら、それだけでは息切れしてしまうかもしれません。「老い」を受け入れることが必要になってきます。たとえば素直に介護を受け入れるのもその1つです。無理をせず、自然に逆らわない柔軟な生き方が、脳にとっても健全なあり方であることを知ってください。
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。