「脳を守る漢方薬」には、もっとすごい効果があります。それは、私たちが生まれながらに持っている酸化ストレスに対する生体防御システムのなかで、最も優れた誘導酵素SODの活性を高める作用があることです。
先ほど述べた実験で、「脳を守る漢方薬#9」を混ぜたエサを与えた実験動物の脳を取り出し、SODの活性を調べたところ、普通のエサを食べていた実験動物の脳よりSODの活性が高まっていたのです。まだそのメカニズムはわかっていませんが、この漢方薬はそれ自身で、脳内に発生した悪魔の酸素(ヒドロキシルラジカルやスーパーオキシド・ラジカル)を消去します。さらに、強力な悪魔の酸素であるスーパーオキシド・ラジカルを特異的に消去、消滅させる能力を持つ正義の味方、誘導酵素SODの活性までも高めてしまうという2重の効果で脳を守り、老化を防いでくれると考えられるのです。
しかし「脳を守る漢方薬」の効果は、まだまだこんなものではありません。じつは、この漢方薬を飲むことで防げたのは、脳の老化だけではありませんでした。
京都にある世界的に有名な研究所に、SAM(サム)という名前のネズミたちがいます。このネズミたちは、よく老化の研究に使われる実験動物で、遺伝的に体の老化が早く進み、平均寿命が1年くらいで死んでしまうので、老化推進モデルマウスとも呼ばれています。
このうちの、正確な名前はSAM・P8(サム・ピーエイト)と呼ばれている8人(?)兄弟の末っ子のサムは、寿命が短いことで知られています。しかも、ただ早死にするだけではなく、なんとボケて早死にする実験動物なのです。
このサムに、脳を守る漢方薬#9を混ぜたエサを食べさせた飼育係の人がいます。すると驚くことに、このサムが長生きしてしまったのです。しかも、普通のエサを食べていたほかのサムに比べて、体毛も多く、骨もしっかりしていて、体重の減少もなかったということです。そして、サムの「長生き度」を私たちの人間に当てはめてみると、なんと、10年以上長生きしたことになるそうです。
最近、私たちの寿命が延びれば誰でもアルツハイマー病になるという仮説を立てた研究者がいますが、もしこの仮説が正しければ、容易に寿命が延びることを喜んではいられないでしょう。しかしこのように、まったく安全な植物から選び抜かれた「脳を守る漢方薬#9」を毎日の食事と一緒に飲んでいれば、アルツハイマー病で選択的に脳細胞死が起こる海馬や大脳脂質の過酸化脂質を減らし、確実に脳細胞死のスピードを緩めて、アルツハイマー病の発病を抑えることができるのです。しかも、体の老化を防いで、寿命をまっとうできる可能性さえ示唆されたのです。
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。