実証された「脳を守る漢方薬」のボケ予防効果

実証された「脳を守る漢方薬」のボケ予防効果

では、八方向放射状迷路装置にアルツハイマー病のモデル動物「スコポラミン・ラット」を入れた実験をご紹介します(引用文献⑧)。

訓練を受けて「空間認知」を獲得し、頭のよくなったラットに、アセチルコリンの情報伝達を遮断する作用があるスコポラミンという薬物を注射すると、アルツハイマー病状態になり、少しボケてきて、エサのないアームに迷い込む回数が増えてきます。つまり「空間認知障害」が発現してきます。たとえば、初回の8回のエサ取りのうち、5回はミスを犯さずエサを取りますが、残りの3個のエサを取るのに9回のミスをするようになります。129ページの図11-Aは、そうしたアルツハイマー病状態を観察した記録です。

ところが驚くことに、頭のよくなったラットに、スコポラミンを注射する30分前に「脳を守る漢方薬#8」を水に溶かして、あらかじめ飲ませておくと、アルツハイマー病状態が予防できるのです。すなわち、エサのないアームに迷い込む回数が少なくなり、アルツハイマー病に特有の「空間認知障害」が改善されたことを示しました。たとえば、初回の8回のエサ取りのうち、7回はミスを犯さずにエサを取り、残りの1個のエサを取るのに3回のミスで取れるようになります。図11-Bは、アルツハイマー病状態が完全に予防できたケースを示したものです。

次に、訓練を受けて頭のよくなったラットに、「脳を守る漢方薬#4」を水に溶かして、同じようにスコポラミンのを注射する30分前に飲ませておくとどうなるでしょう。スコポラミンの影響で、やはり、アルツハイマー病状態が現われます。また、エサのないアームに迷い込む回数は少なくなりますが、「脳を守る漢方薬#8」に比べると少し効果が弱くなります。たとえば、初回の8回のエサ取りのうち、6回はミスを犯さずにエサを取りますが、残りの2個のエサを取るのに6回のミスを犯しました。

もう1つの実験を紹介しましょう。今度は八方向放射状迷路装置に、脳血管性痴呆症のモデル動物「脳虚血ラット」を入れた実験です(引用文献⑧)。

訓練を受けて「空間認知」を獲得し、頭のよくなったラットの脳に向かう動脈をクリップで止めて、脳への血流を10分間中断します。脳を一時的に虚血状態にしてから、クリップをはずしてやります。すると24時間後には、この頭のよかったラットは脳血管性痴呆状態になり、少しボケてきます。エサのないアームに迷い込む回数が増えてくるのです。実験では、初回の8回のエサ取りのうち、5回はミスを犯さずにエサを取りましたが、残りの3個のエサを取るのに、8回のミスをするようになりました。前述したように、脳細胞が「虚血」にきわめて弱く、その結果、ボケが発現しやすいことを物語っています。

次に、頭のよくなったラットに、今度は、脳を一時的に虚血状態にする1時間前に「脳を守る漢方薬#4」を水に溶かして、あらかじめ飲ませてから実験してみました。すると、あまりボケずに、エサのないアームに迷い込む回数が少なくなるのです。初回の8回のエサ取りのうち、7回はミスを犯さずにエサを取り、残りの1個のエサを取るのに2回のミスで済むようになりました。この漢方薬が脳血管性痴呆状態になるのを予防し、「空間認障害」を改善したことになります。

続いて、訓練を受けて頭のよくなったラットに、同じ手順で「脳を守る漢方薬#8」を飲ませたところ、「脳を守る漢方薬#4」に比べると、少し効果が弱くなるという結果が出ました。初回の8回のエサ取りのうち、7回はミスを犯さずにエサを取りますが、残りの1個のエサを取るのに4回のミスを犯したのです。この実験は、脳血管性痴呆には「脳を守る漢方薬#6」よりも「脳を守る漢方薬#4」のほうが効果があることを示しています。 

 

以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。

目次

プロローグ - ボケずに100歳まで生きるために

第1章 ボケがここまでわかってきた

第2章 脳細胞は自殺する

第3章 老化の原因は「活性酸素」だった

第4章 漢方薬の驚異のボケ防止作用

第5章 病気を未然に防ぐ「養生(ようせい)の法」

第6章 幸せになるための3つの処方箋

エピローグ - ボケを予防する6ヶ条

あとがき-謝辞に代えて

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著書「脳を守る漢方薬」

認知症、アルツハイマー病、脳血管障害に、光明、最先端科学で、実証された、漢方薬の効果が明かされる。

「脳を守る漢方薬」

エビデンスの解説、紹介
医学博士 大山博行

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