2つの心的エネルギーをグラフ化することで、未来の発病が予測できる

2つの心的エネルギーをグラフ化することで、未来の発病が予測できる

さて、各自我状態が放出している心的エネルギーの量をグラフ化したものがエゴグラムですが、いま述べた4つの基本的な構え(対自分・対人間関係の態度)の心的エネルギーをグラフ化したものはOKグラムと呼ばれています。これは、わが国の杉田博士が開発されたものです。

杉田博士は、ジョン・デュセイが開発したエゴグラムをいち早く日本に導入して、それをできるだけ客観的に描く方法を研究されていました。この間に、同じような形のエゴグラムを示す人でも、実際の対人関係の営み方や適応状態がかなり違うことを発見されました。そこで、エゴグラムに現われる表面の姿と、個人の内面の状態との関係を明らかにする必要性を感じるに至ったといいます。

エゴグラムは、そのときどきの自我状態をとらえていますが、その奥にある個人の自己意識や自己概念まではとらえていません。いうまでもなく、人間の行動は、その人の自己概念や対人評価によって大きく影響されます。そこで、TAの「基本的な構え」の理論に基づき、対自および対人態度の基本的あり方を、自分に対して肯定的か否定的か、他人に対して肯定的か否定的かに分けて、その強さの程度を表すOKグラムを開発したといいます。基本的な構えは、自己肯定、自己否定、他者否定の4点でとらえています。

さて、前述したエゴグラムとOKグラムを合わせると、心の中のエネルギーバランスが、もっと明確にとらえられるようになります。また、そのバランスの乱れから、将来のストレス病の発病を予測することも、もっと明確になるわけです。

エゴグラムとOKグラムによる将来のストレス病の発病予測を個々に取り上げると、あまりに煩雑になってしまいます。簡単に一例だけを紹介すれば、たとえばエゴグラムによってわかる現在の自我状態が「ノーマル」であっても、OKグラムでわかる、生まれながらに持っているその人の基本的構えとのバランスが崩れていれば、次のように判定されます。すなわち、現在の自分は本当の自分ではなく、俗に言う「いい子ぶりっ子」をしている状態が、必要以上に他人からよく思われたいという願望が強い、いずれにしても自我は抑圧状態にあって、発病の危険性が大ということになります。

以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。

目次

プロローグ - ボケずに100歳まで生きるために

第1章 ボケがここまでわかってきた

第2章 脳細胞は自殺する

第3章 老化の原因は「活性酸素」だった

第4章 漢方薬の驚異のボケ防止作用

第5章 病気を未然に防ぐ「養生(ようせい)の法」

第6章 幸せになるための3つの処方箋

エピローグ - ボケを予防する6ヶ条

あとがき-謝辞に代えて

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認知症、アルツハイマー病、脳血管障害に、光明、最先端科学で、実証された、漢方薬の効果が明かされる。

「脳を守る漢方薬」

エビデンスの解説、紹介
医学博士 大山博行

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