日光の紫外線の強力な刺激で皮膚に発生する悪魔の酸素が、シングレット・オキシゲン(一重項酸素)という活性酸素であることはすでにお話ししました。この活性酸素が原因で日焼けなどが起こり、さらに長期にわたると皮膚ガンが発症してしまいます。
しかし、創造の神が人間に食物として与えた植物は、光合成を行なうことで生命を維持していますから、この紫外線を毎日浴びながらすくすく育ちます。これは考えてみると不思議なことです。紫外線を浴びれば、植物の細胞にも悪魔の酵素・シングレット・オキシゲンは発生します。この活性酸素の攻撃を受ければ、植物の細胞も酸化され、破壊されるはずです。
この謎を解く鍵は、植物が生まれながらに持っている強力なスカベンジャーの存在なのです。植物は生まれながらに活性酸素をすみやかに消去して身を守る強力なスカベンジャーを蓄えています。それは、ビタミンC、ビタミンE、β‐カロチンなどの「抗酸化物質」と呼ばれるものです。ビタミンEは、ご存知のように穀物、豆類、ナッツ類など、植物の種子に豊富に含まれています。つまりビタミンEの抗酸化作用、活性酸素消去作用のおかげで、種子は酸化されて腐ることなく、発芽することができるわけです。
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。