最後に、ボケを予防するための漢方薬の選び方と、食事や日頃の心がけについて、あらためて整理しておきましょう。
目的別に、望ましい食品、および注意すべき点を挙げてみましょう。
A.活性酸素を消去する食品
ビタミンEを多く含む食品としては、小麦胚芽、大豆などの植物油、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草など。また、ビタミンCを多く含む食品としては、イチゴ、レモン、ミカンなど。このほか、「フラボノイド」「イチョウの葉に含まれる成分」や「カテキン」(緑茶に含まれる成分)にも強い活性酸素消去作用のあることが確認されています。
B.動脈硬化を防ぐ食事
[たくさん摂りたい食品]
1.食物繊維を多く含む食品(腸内でコレステロールを吸着し、排泄する)
* ゴボウ、ニンジン、カボチャ、タマネギ、ニンニクなどの野菜類
* ワカメ、コンブ、ヒジキなどの海藻類
* サツマイモ、ジャガイモ、コンニャクなどの芋類
* 豆腐、納豆、おからなどの大豆製品
* リンゴなどの果物類
* シイタケ、シメジ、エノキダケなどのきのこ類
2.青背魚(血液が固まりにくくなる)
* イワシ、サンマ、サバ、アジなど
[適度に摂りたい食品]
植物性脂肪(コレステロールを減らす)
* 紅花油、サラダ油など
[控えたい食品]
1.コレステロールを多く含む食品
* 卵黄、マヨネーズ、カズノコ、ウニ、タラコなど
2.動物性脂肪(コレステロール値を上げる)
* バター、ラード、豚肉や牛肉の脂身、ベーコン、レバー、生クリームなど
3.糖質、アルコール(中性脂肪を上げる)
* お菓子・ケーキ類、各種酒類
C.高血圧を防ぐ食事
塩分を控えること。食塩に含まれるナトリウムは、血管を収縮させ、血圧を上昇させます。その結果、血管に余分な負担をかけ、老化を促進します。
D.脳細胞を活性化する食品
1.DHA(ドコサヘキサ塩酸)、EPA(エイコサペンタ塩酸)を多く含むもの(脳の代謝を促進して、脳細胞の働きを活発化する)
* マグロ、ブリ、サバ、サンマ、イワシなど
2.レシチンを多く含む食品(神経伝達物質・アセチルコリンの原料になる)
* 大豆製品が一番です。レシチンは大豆のほか、レバーや卵黄などにも豊富にふくまれますが、大豆以外は、血中脂質の高い人は動脈硬化を促進する危険があり、注意が必要です。つまり、アルツハイマー病の患者さんにはよいが、脳血管性痴呆症の患者さんには、あまりお勧めできません。
3.カルシウムを多く含む食品(脳の情報伝達をスムーズにする)
* 牛乳が一番です。牛乳中のカルシウムは乳酸カルシウムの形をとっているので、生体に吸収しやすくなっています。
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。