心身のストレス症状を知る方法

心身のストレス症状を知る方法

 最後に、ストレスに対する反応パターンを知るための方法を紹介したいと思います。これにはCMIと呼ばれる方法があり、コーネル・メディカル・インデックス(Cornell Medical Index Health Questionnaire)の略称です。ニューヨークのコーネル大学のブロードマン博士(Dr.Brodman)らによって考案されたもので、もともとは第2次世界大戦中に、軍人の性格や精神的、身体的異常をすみやかに発見するために作られたものです。

 CMIは質問紙法をとっており、さまざまな検討を経て精選された質問項目に対して、「はい(当てはまる)」「いいえ(当てはまらない)」で反応するように作られています。CMIを実施すれば、心身のストレス症状を簡単に知ることができ、さらに自律神経防御システムの乱れる原因と考えられる情緒障害が評価できるようになっています。

 日本語版は深町博士らによって開発されましたが、身体的ストレス症状を評価できる144項目の質問と、精神的ストレス症状を評価できる51項目の質問から構成されています。さらに、男性に特徴的なストレス症状を評価するための16項目と、同様に、女性に特徴的な18項目の質問を加えることで、より正確な評価ができるようになっています。

 具体的には、身体面に関しては心臓血管系、消化器系、呼吸器系、筋肉骨格系、神経系の障害をとくに詳しく検査できるようになっています。また精神面に関しては、種々のストレスに対しての適応・不適応状況や、対象者のストレスに対する反応性が、緊張反応をするのか、過敏反応をするのか確認できる利点もあります。さらに、詳しく未来の発病を予測するために対象者の心の状況、つまり心が不安状態なのか、恐怖状態なのかも確認できるようになっています。

 また、総合判定として、とくに、心臓血管系ストレス度、疲労度、疾病頻度、ストレスに対する適応度、抑うつ度、不安度、過敏度、怒り度、緊張度の9項目をピックアップして分析すれば、第5章で紹介した「ヘルス・デス・フロー(生命の流れと健康状態の相関図)」を用いて、現在の健康状態の位置関係が明確に判断できるようになります。

以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。

目次

プロローグ - ボケずに100歳まで生きるために

第1章 ボケがここまでわかってきた

第2章 脳細胞は自殺する

第3章 老化の原因は「活性酸素」だった

第4章 漢方薬の驚異のボケ防止作用

第5章 病気を未然に防ぐ「養生(ようせい)の法」

第6章 幸せになるための3つの処方箋

エピローグ - ボケを予防する6ヶ条

あとがき-謝辞に代えて

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「脳を守る漢方薬」

エビデンスの解説、紹介
医学博士 大山博行

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